ジャンカルロ・フィジケラがザウバー・チームで再び花を開かせたのを見て奮起したのだろうか、元F1ワールドチャンピオンでカナダ出身のジャック・ビルヌーブが、興味深いことに、今週スイスのヒンウィルにあるザウバーの本社を訪れていた。
チームのスポークスマンがロイター通信に対しビルヌーブの訪問を認めたため、ビルヌーブもチームの来季ドライバー候補に加わったという噂が広まった。昨シーズンの終盤にBARチームを離脱しF1から遠ざかっていたビルヌーブだが、ザウバーもF1復帰を目指し準備を進める彼の候補のひとつになりそうだ。彼はすでに、ウイリアムズとBARの両チームと話し合いを持ったのではないかと噂されたが、今となってはどちらかもドライブする可能性はほとんどない。
関係者の話によると、ビルヌーブのマネージャーであるクレイグ・ポロックがザウバーの施設訪問を手配し、今年の初めに300万ドル(およそ33億円)をかけて完成したウインドトンネルを含めたファクトリーの見学ツアーを行ったようだ。
イタリア人のフィジケラは2004年に2年契約を結びザウバーに加入したが、ビッグ・チームのひとつが彼に声をかけてきた場合、チームを離れられるというオプション権を行使した。ルノー・チームは条項を満たすには不十分と見られたが、フィジケラはあれこれと働きかけたウイリアムズは興味を示さず、ヤルノ・トゥルーリの去ったルノー(本拠地はイギリスのエンストン)に身を置くことになった。
今月18日(水)、ザウバーは来季のラインナップ決定を急いではいないことを認め、現在は多くのドライバーが出走したがるようなチームなのだから、フェリッペ・マッサのチームメイトをのんびり選んでいると語った。チームとビルヌーブの話し合いは、それぞれが選択可能であることを確認したはずで、ビルヌーブも、アンソニー・デイビッドソン、デイビッド・クルサード、DTMで活躍するゲイリー・パフェット、F3000の現ポイントリーダーであるビタントニオ・リウッツィらのようなドライバー候補になりそうだ。