ミナルディのメインスポンサー、入浴用品メーカーのウィラックス社とミナルディの間に溝ができていることが、ウィラックス社の取締役、ルッド・ウィルドシュットにより明らかになった。しかしながら、スポンサー契約から手を引くことは否定している。
ウィルドシュットは、シルバーストンでのイギリスGPにおいてミナルディがウィラックス社に取った態度については喜ばしいものではないとした。しかしながら、ミナルディから撤退するかもしれないという一部で噂されているような内容は否定した。
今回の論争は、イギリスGP前日に急逝したミナルディのスポーティングディレクター、ジョン・ウォルトンを追悼するために、ポール・ストッダートが急遽、車のスポンサーロゴをスポンサーに相談なく剥がすことを決定したことに端を発する。一部のメディアでは、これを受けてウィラックス社がミナルディから手を引くのではないかと報道したが、ウィルドシュットは、元ミナルディのドライバー、ヨス・フェルスタッペンの個人サイト上での発言でこれを否定した。
「シルバーストンで我々のステッカーが剥がされたことに関して、我々の意見は異なるものだ」とウィルドシュットは語っている。「今回車からすべてのスポンサーロゴを外したい旨は聞いてはいたが、我々はそのことに関しては反対していた。そこでチームに話し合うことを求めたのだが、結局話し合いは行われなかった。そこで私はポール・ストッダートに対して文書を送り、事の成り行きの説明を求めたのだ。しかしいまだ状況は変わっていない」
ウィルドシュットは、今回のことに関して怒りを感じているのではない、と強調しており、むしろウォルトンに対する追悼行為は正しいものだと語っている。ただ、それは車のスペースを買っているスポンサーの費用によって行われるべきものではないとしている。2台のマシン、PS04は土曜日のプラクティスには姿を現さず、日曜日には車体に追悼の辞のみを記してレースに臨んだ。
「ジョン・ウォルトンへ追悼の意を表した行為は正しい」とウィルドシュット。「しかし、我々は資金を車のスペースに投じている。もし事前に話し合いの場がもたれていれば、我々も喜んでその場を譲ったことと思う。しかし今回は車からすべてを単に取り去っただけで、我々としては何にもできることがなかった」
ミナルディ代表ストッダートは、今回の騒動が2週間近くたった今でも解決されないことに明らかに動揺を覚えている。しかし状況の解決に向けて努力していくと語っている。しかしながら、ホッケンハイムの金曜日のプラクティスセッションでもなぜか3台のミナルディはサイドポッド、リヤウィング、そしてノーズにウィラックスのロゴを付けずに走行しており、この問題が解決するにはしばらく時間がかかる可能性があることを示唆している。」