Ｆ１では新レギュレーションが７月のイギリスＧＰにも導入される見込みだ。新しい予選方式は“面白い”だろうと、フェラーリのテクニカル・ディレクター、ロス・ブラウンは予測している。
アメリカＧＰの記者会見で語ったブラウンは、さらに、今度こそこの方式がうまくいってほしいと付け加えた。あまりにも頻繁に廃止と手直しを繰り返すのは、Ｆ１にとってよいことではないからだ、という。
「この新しい方式によって、また以前のように、レースでは好きなだけの燃料を積んで走れるようになり、予選ではマシンが最低限の重量で走行できるようになるわけだから、面白いだろう」と、ブラウンはコメントした。
「私が唯一懸念しているのは、タイムの積算制をコースで見ている観客にきちんと伝達しなくてはならないということだ。テレビの視聴者の方は、テクノロジーのおかげで何が起こっているのかフォローしやすいと思うが――そうなってしかるべきだが――グランドスタンドに座っている観客たちは、何が起こっているのかわかるかどうか心配だ。だから、ドライバーひとりひとりが何位で、どういう状況かという情報を、彼らに伝達することが非常に重要になる。サーキットに来ている人たちが予選で起きていることをフォローできないとすれば、問題だからね」
「しかし、間違いなく、全車がコースに出て予選を行うというスペクタクルが復活することになる。これでまた、黄旗が問題になったり、“あいつのせいでスローダウンさせられた”だの、“奴があれをやった”、“奴はそんなことをした”云々という議論が起こったりするだろう。しかし、それもみな予選の楽しみの一部だし、何年か前まではそうやって予選を楽しんでいたんだ」
「そして、２回のセッションで走行する必要があり、それぞれのセッションでの周回数が制限されることから、マシンは今よりもっと頻繁に走るようになるはずだ。それは面白いだろうと思うよ」
「私が少し心配しているのは、あまりにも多くの変更を続けすぎてはいけない、ということだ。それはＦ１によい影響を及ぼさないと思う。今度のもので、今年３つ目の予選システムということになる。今度こそうまくいってほしいと心から願っているよ。レースの方式を絶えず変更しているというのは、いいことではないと思うからね」
では、要するに、シルバーストンでは何が起こるのだろうか？ サー・フランク・ウイリアムズに説明してもらおう……。
「シルバーストンでは再び、公式予選セッションが１回のみとなり、そのセッションが１０分の間隔をおいて２５分間ずつ２回のセッションに分割される。各チームはトータルで６周することができ、前半２５分と後半２５分のセッションで、４セットのタイヤを使用することができる。そして、予選で使用したタイヤで、レースをスタートしなければならない。予選タイムは、Ｆ１では初めて、前半２５分と後半２５分でのベストラップの積算で決定されることになる」ということだ。
この“積算制”について、ドライバーたちはどう考えているのだろうか？ ルーベンス・バリチェロは、この方式についてはまだ懐疑的だ。
「僕が唯一、はっきり意見を決めかねているのは、積算制についてだ。なぜなら、積算ということになると……タイムのバラつきが大きくなる。ある者が１番にならずに３番になったのに、実際には速いということがあると、コース上でオーバーテイクしなくちゃならなくなる。でも、僕にはまったく経験のない方式だから、気に入るかどうかわからないよ」
パンターノもミナルディ狙い
