マシンのノーズコーンに、15万英ポンド(約3000万円)もする無傷のダイヤモンドをとりつけるには、モナコは最適のサーキットとはいえなかっただろう。だが、今回のモナコGPで、ジャガー・レーシングは、まさにそれを実行したのだ。その結果どうなったか? ダイヤのひとつがなくなってしまったのだ……!
プロモーションの一環として、マーク・ウエーバーとクリスチャン・クリエンのジャガーR5のノーズコーンに、15万英ポンドの無傷のダイヤモンドが装着された。
モナコは、ごくたまにしかF1を見ないファンでも知っている通り、バリアに取り囲まれ、レースの週末には頻繁にクラッシュが起こるコースだ。マシンのフロントにダイヤモンドを取り付けるのは、あまり安全とはいえない行為だったが、仕方がない。ダイヤモンドの装着は、シュタインメッツ・ダイヤモンド・コレクションとの契約によるもので、「オーシャンズ12」のプロモーションの一環として行われた。「オーシャンズ12」は、大胆不敵なダイヤモンド泥棒をめぐる映画だが、それがこの週末、まさに現実となってしまったようだ。
クリスチャン・クリエンは、ロウズ・ヘアピンでバリアにヒットしてレースを終えた。「あれは、僕にとって、モンテカルロでの最も高くつくレースになるだろう」と、後でクリエンは述べたが、F1ドライブがどのくらいコストのかかるものか、正確にはわかっていなかったのかもしれない。そして、ダイヤモンドは、翼が生えてどこかへ飛んでいってしまったらしい。
マシンがジャガーチームのもとへ戻ってきたときには、その高価なダイヤはなくなっていた。ジャガーのF1広報の責任者、ナブ・シドゥーは、次のように総括した。「ここに来ていた誰かが、レースのお土産以上のものを持ち帰ったのかもしれないね!」