エディー・ジョーダンがまたしても、チームドライバーの1人とあるトップチームとの間の“バイヤー”を買って出ようとしている。
かつてルーベンス・バリチェロをスチュワートへ、エディー・アーバインをフェラーリへうまく売りつけることに成功したジョーダンは先週、ヨス・フェルスタッペンの獲得を希望する発言を行ったが、今度は持参金なしで今シーズン、チームに加入したニック・ハイドフェルドについて、来季のウイリアムズ加入を期待するコメントを出した。
ジョーダンは今年、持参金より才能を見込んでハイドフェルドをドライバーに起用したが、来シーズンは彼がトップチームに雇われる可能性があるかもしれないと見ている。ファン―パブロ・モントーヤと互角の戦いを見せられるようなチームにいまだ所属したことのないハイドフェルドだが、ジョーダンは彼がマクラーレンへの来季移籍が決まっているモントーヤの後を埋めるにふさわしい男だと認めている。
ラルフ・シューマッハーの離脱も囁かれているウイリアムズチームだが、ジョーダンはハイドフェルドが同チームのドライバーとしてふさわしい男だと考えている。
ジョーダンは独スポルト・ビルド紙に対し、「私の目標は、ニックをBMWウイリアムズと婚約させることだ。ドイツ企業にはドイツ人が必要なのだ」と語った。
とはいえ、来季のウイリアムズのドライバー候補としては、ジェンソン・バトン、マーク・ウエーバー、ジャンカルロ・フィジケラ、IRLチャンピオンのスコット・ディクソンらの名前がすでに挙がっており、ハイドフェルドが簡単にウイリアムズのシートを獲得できることもなさそうだが、彼にしてみれば、ウイリアムズとなら、たとえテスト契約であっても一歩前進であると考えていることだろう。
さらに、ジョーダンは、トップチームに加入すれば給料だってもらえるだろうと話している。
「ニックには現在、何も支払っていない」とジョーダン。「しかし、彼はF1の他の多くのドライバーたちとは違い、持参金なしで私のところでドライブしている。私には、予算をサポートしてくれるような“バック”がいない。だから、ドライバーたちを使ってお金を手に入れなければならないのだ。ニックとは今年いっぱい契約が残っているが、来年以降の契約は不可能だろう。来年以降もと言うのなら、今度は持参金を持ってくる必要がある」
「彼の目標は、優勝が可能なトップチームに加入することであるはず。私たちからオファーを出すことはできないが、ニックはトップチームのドライバーとして価値のある男だ」