「結論を出すまで多くの考えがあった」去就を熟慮し、気が散る時もあったとベッテル。現在はF1引退を決意し安堵
2022年8月5日
アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、F1引退を決めたことで安堵したと語っており、将来についての考えにこの数カ月間気を取られていたことを認めた。
チームが選択肢を検討する時間を数カ月取れるように、サマーブレイク前に将来について話をするようアストンマーティンF1から要請されていたベッテルは、それにしたがって第13戦ハンガリーGPの水曜日の夜に彼の決断についてチームに伝えた。
ベッテルはF1シーズンの後半に向け、よりリラックスした気持ちで臨むと語った。
「この先の10戦に向けてモチベーションを上げるのに問題はないと思う。むしろ逆の感じだ」
「この決断は長いこと僕の頭のなかにあって、正直なところかなりのエネルギーを取られていた。少し気が散ってしまう時もあった。だから今はかなり安心していて、これからのレースを楽しみにしている。だらかむしろ逆かもしれないね」
ベッテルは、家族への思いと、F1以外のことへの関心が、将来に向けた決断を下すのに大きな役割を果たしたと明らかにした。
「だから一晩で決めたわけではない。もちろん最終的に決断して、続けずに辞めるとチームに伝えたのは昨日だけどね。でもこの結論に至るまでには多くの考えがあった」
「他のことをやるにはちょうどいい時期だと思う。このためにどれだけ献身的に取り組まなければいけないかということは、もちろん分かっている。そしてそうするには、正しい方法でやらなければならないと確信している」
「ここにいることに喜びやモチベーションをあまり感じず、ただ一員でいるという感じなんだ」
「でも僕が言ったように、献身的に取り組むということは、頭や心のなかでも多くの時間を費やすということだけでなく、物理的に家や子供たち、家族から離れるということだ。そして僕は成長している子供たちの他にも心に温めていることがある。他の関心ごとや考えがあって、そうしたことを無視することができない」
「だから最終的には疑問がどんどん大きくなって中心的な存在になった。その時点で決断したのだと思う」
「これは100%か0%かという決断ではない。僕はレースを嫌いになったのではない。今でもレースが大好きだよ。でも大多数のことは僕を違う方向へと引っ張っているようだ。僕の決断だから道を譲るわけではないが、違う方向へ進むことがうれしい」
ベッテルは常に私生活を堅く守ってきた。しかし木曜日、35歳のベッテルは妻のハンナから受けてきたサポートについて口を開いた。彼女は夫が最終的にどの道を選ぼうと、その決断を支える用意ができているという。
「もちろん妻と長い時間話し合って過ごした」とベッテル。「彼女は進み続けることに関して言えば第一のサポーターだろう。最終的には僕が決めることだと言ってくれた」
「僕は人生に大きな意味と喜びをもたらしてくれる何かを見つけることができて、とても幸運だと思う。友人を作り、さまざまな人たちと会い、世界中を旅して物事を目にし、視野を広げるための基盤があるんだ」
「そして彼女はとても支えになってくれていると思う。これは僕が決めるべきことだと言ってくれた。もちろん彼女にも意見がある。でも彼女はとても協力的だ。結局、これはあなたが決めることで、私があなたのために決めることはできないと言った」
ベッテルは、環境の改善に取り組む人間としての物の見方も、F1での人生と時間を終わりにする決断に大きく影響を及ぼした要因だったと認めた。
「それは間違いなく、役割を果たした要因のひとつだ。パーセンテージで数字を出すようなことはできない。それはばかげたことだと思う」
「でも確かに世界が変わるのを見て、将来を見据えると、僕たち全員が、そして特にこれからの世代はとても危機的な立場にいる。僕は自分の情熱のその面を理解している。僕の仕事には、僕が好きではないことが伴っている。つまり世界中を移動して、マシンを走らせ、文字通り資源を燃やしていることだ。一度見て気づいてしまったら、もう忘れることはできないと思う」
「これは第一の要因ではない。言ったように、いろいろなことが重なっている。でも決断の裏にある原動力の一部にもなっているんだ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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