11月23日(日)鈴鹿サーキットは、シーズンオフに入ったとは思えない、熱気と興奮と賑わいに包まれた。恒例となった「トヨタ・モータースポーツ・フェスティバル」が、改修工事中の富士スピードウェイに代わって2万人余りのトヨタファンを集めて開催されたもので、ESSOフォーミュラトヨタ最終戦、ネッツカップ・アルテッツァ/ヴィッツ両シリーズ/最終戦の併催と共に数多くのスペシャルイベントが目白押し。
日本GPの活躍を彷彿する“トヨタTF103”とC.ダ・マッタの特別走行と、IRLで活躍する高木虎之介の日本凱旋走行。さらには、ル・マン24時間レースの激闘を思い起こす“TS010”や伝説のマシン“トヨタ7”のデモンストレーション走行など、トヨタモータースポーツの創成期から現在までのオンパレード。さらに、今シーズンもJGTCで大活躍し、バトルを繰り広げたトヨタGTカーによるエキシビションマッチ「JGTC模擬レース」、「JGTCウォッチングツアー」等も繰り広げられた。
一方、特設会場では、C.ダ・マッタ、高木虎之介を始めとする、トヨタチームドライバーによるトークショーが行われ、「パドックウォーク」では、パドックを開放、モータースポーツをより身近なものとした。
なかでもハイライトは、“トヨタTF103”と“トヨタ・ダラーラ”そして“TS010”と“トヨタ7”等による新旧トヨタレーシングカーの“競演”「トヨタスペシャルSUPER RUN」。昨年の走行に続き、新たに蘇ったターボ仕様の“トヨタ7”は、当時のトヨタワークスチーム開発ドライバーである細谷四方洋氏、“TS010”は、日本人で初めてル・マン24時間レースで表彰台を獲得した関谷正徳氏がステアリングを握り、東コースを快走。
共にエキシビション走行をしたF3、フォーミュラトヨタの若手ドライバー達とトヨタファンに、“チャレンジ・スピリット”を伝承。来シーズンへの自信と期待をアピールするとともに、トヨタモータースポーツの時代を超えた変らぬ“挑戦魂”を余すところ無く披露。日、米、欧で繰り広げられた激戦の2003年レースシーズンを締めくくった。
“TOYOTA TF103”
ドライバー:C.ダ・マッタ (パナソニック・トヨタ・レーシング)
「久々に高木選手のIRLマシンと走ることが出来、とても楽しかった。トヨタとの長いチャレンジの年月を改めて実感したとともに、日本GPの時には、パドックに来られななかった大勢のトヨタファンと身近に接することが出来、充実した一日だった。鈴鹿での日本GPは、F1参戦初年度でベストレースのひとつだったが、来シーズンの日本GPでは、何としてでも表彰台を目指したい」
“TOYOTA Dallara Indycar”
ドライバー:高木虎之介 (IRLモー・ナン・レーシング)
「2000年のフォーミュラ・ニッポン以来、3年目の鈴鹿サーキットで多くのトヨタファンを前に走れて、とても楽しかった。とりあえず、左周りオーバル用のIRLマシンを改良して、右にもステアリングが切れて、直線も走れるようにしたが、直線は、フォーミュラ・ニッポンよりも遥かに速かった。IRLを鈴鹿で開催したら、きっと面白いレースが出来ると思う。」
“TOYOTA TS010 Le Mans”
ドライバー:関谷正徳 (元トヨタ・ワークス/トムス)
「今日走ったF1カーやインディカーが20年後にデモランを披露出来ることが、トヨタにとっての大きな財産になると思う。ル・マンの想い出が一杯に詰まったコックピットに久々に収まり、たくさんのトヨタファンの前を走ると、また、当時を思い出して心が躍ってしまった。これからもトヨタモータースポーツを盛り上げたい」
“TOYOTA 7 Turbo”
ドライバー:細谷四方洋(元トヨタ・ワークス)
「鈴鹿サーキットで、第1回日本GPを28馬力のパブリカセダンで走り、鈴鹿サーキットで最後に走ったのが、この800馬力のトヨタ7・ターボだった。30数年ぶりに当時を思い出しながら走ったが、トヨタ7は、ちゃんと言うことをきいてくれた。本当に嬉しい一日だったが、これも、トヨタ7を蘇らせてくれた皆さんの情熱のお陰と感謝する」