Ferrari関連記事
F1 Topic:フェラーリPUが突然パワーアップした理由を、トロロッソ・ホンダF1の田辺TDが考察
2018年7月26日
「ストレートでわれわれはタイムを失っている。彼らはストレートでコンマ5秒速い」
これはレッドブルやマクラーレンやトロロッソのドライバーたちのコメントではない。F1第11戦ドイツGPの予選後にこの衝撃的な発言をした主は、過去4年間最強のPU(パワーユニット/エンジン)を有し続けてきたメルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフだ。これは決して、冗談でも大げさな発言でもない。
この直前に開かれたルイス・ハミルトンの記者会見で、ハミルトンは「ぼくたちはストレートでコンマ3秒失っている」と語っていた。その直後に開かれたウォルフの会見で、ハミルトンの発言について感想を尋ねられたウォルフは「もう少し正確に言えば、コンマ5秒だ」と語ったのだ。
それを物語るのは、ドイツGPの予選結果だ。トップ10のうち5台がフェラーリPUを搭載するマシンだった。これに対して、メルセデスPUはなんとわずか2台。ハミルトンがQ1でトラブルに見舞われていなければ、Q3に進出しただろう。
しかし、その場合に脱落することになるのはQ2で10番手のセルジオ・ペレス(フォース・インディア)のため、どちらにしてもメルセデスPU搭載マシンの数は変わらなかっただろう。
じつはドイツGPの2週間前に開催された第10戦イギリスGPでも、予選でフェラーリPU搭載マシンがトップ10のうち5台を占めていた。しかし、フェラーリ勢は1台もイギリスGPで新しいPUを投入していない。一番新しいPUをフェラーリ勢が投入したのは第7戦カナダGP(フェラーリ)と第6戦モナコGP(ハース、ザウバー)だ。
■田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターの見解
なぜ、ここに来て、フェラーリ勢はパワーアップしてきたのか。
ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは興味深い見解を示した。
「あくまで想像ですが、1基目と2基目のPUには大きな違いがあったわけではなく、使い方の違いじゃないかと」
どういうことか? 田辺TDはこう続ける。
「たとえばですが、1基目のPUは安全圏内でいろんな使い方で走らせみて、予定のマイレージに達したところでPUをバラしてみたら、もう少し行けるんじゃないかということがわかった。そこでベンチで信頼性を確認したうえで、よりパワーを上げた使い方をしてきたのではないでしょうか」
田辺TDによれば、予選モードにも『松竹梅』があるという。
つまり、これまでフェラーリ本家が『竹』を使い、カスタマーチームが『梅』モードだったのに対して、2基目からは本家が『松』を使い、カスタマーチームが『竹』を使用してきたのではないかと推測できる。
しかも、それをまずモナコGPでカスタマーチームで試して、問題ないことを確認したうえで本家がカナダGPで2基目を投入し、グランプリによって使い方を変えていると考えると、ここ数戦のフェラーリ勢の快走も納得がいく。
今週末の第12戦ハンガリーGPはパワー感度が低いため、PUの性能差は出にくいだろうが、夏休み明け緒戦の第13戦ベルギーGPと次の第14戦イタリアGPは一年で最もパワー感度が高い連戦となる。
メルセデスの今後の開発は、シーズン後半を占う大きな鍵となりそうだ。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |