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好不調の波が大きかった跳ね馬。後半戦にいくつもの“見せ場”を作ったベッテル【F1ゴールデンラズベリー賞 2018】

2018年12月28日

 映画『アカデミー賞』が表舞台の華やかな表彰なら、もうひとつの『ゴールデン・ラズベリー賞』はマニアックに裏ステージに注目した(?)年間表彰だ。シーズンオフの今、2018年シーズンをF1ジャーナリストの今宮純が振り返り、各10部門に分けてノミネートしていく。


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☆ドライバー部門 セバスチャン・ベッテル

2018年F1ドイツGPでまさかのクラッシュを喫してしまったセバスチャン・ベッテル
2018年F1ドイツGPでまさかのクラッシュを喫してしまったセバスチャン・ベッテル


 つめが甘かった。2017年5勝、2018年も5勝、317ポイントと320ポイントもほぼ同じ。開幕から首位に立ち前半の第10戦まではルイス・ハミルトンと攻防を続け、2018年シーズンで5回も“首位交代劇”をやってみせた。どのグランプリでも観客が増えたのは、ベッテルが見せ場をつくったから。ときにはスピン、接触、クラッシュ……、スリリングなシーンで沸かせたのが授賞の理由。


☆マシン部門 ウイリアムズFW41

2018年は思うような速さを発揮できないマシンに苦しんだウイリアムズ
2018年は思うような速さを発揮できないマシンに苦しんだウイリアムズ


 F1マシンを操るのがいかに難しいか。それを毎戦ランス・ストロールとセルゲイ・シロトキンが知らしめた。コーナー入口も出口も、直線でさえも安定しない絶叫マシン状態。久々に見る不審挙動、FW41は失礼ながら駄作車だろう(ウイリアムズの最高技術責任者のパディ・ロウも認めた)。


 2018年の開幕前テスト時点から最下位タイム、改善の“特効薬”も効かずに落ちるところまで堕ちた古豪。御大フランクさんの体調が心配になります……。


☆チーム部門 ハース

2018年のハースは速さを見せながらも、ポイント獲得のチャンスを逃してしまった。
2018年のハースは速さを見せながらも、ポイント獲得のチャンスを逃してしまった。


 ワークス・ルノーに29点差の5位、“Bリーグ”での下剋上はならず。2018年の開幕戦からホイール脱落で全滅、ダブル入賞5&6位<18点>チャンスは幻に。後半イタリアGPではロマン・グロージャン6位が失格事件<8点>で消え、ルノーのサインツが8位<4点>繰り上がり。アメリカGPではマグヌッセンが9位失格となり<2点>を失った。コンストラクターズランク4位と5位の分配金の差額は推定数億円……。

■ブラジルGPで大きな話題となったオコンとフェルスタッペンの騒動

☆アクション部門 マックス・フェルスタッペン

2018年F1第20戦ブラジルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とエステバン・オコン(フォース・インディア)がレース後に口論


「そう怒んないで」とエステバン・オコンが下手に出ていたら、マックス・フェルスタッペンもMAX100%怒り度にはならなかったかも(いやなったか)。ブラジルGPゴール後、体重測定エリアであのシーン、傍でじっと見ていたバルテリ・ボッタスはどんな気持ちだったのだろう……。


☆カラーリング部門 フェラーリ(日本GP以降)

 なんでタイトル決戦前にここから塗り替えを。鈴鹿で公開された『MISSION WINNOW』のロゴ入りカラー。これを描き込んだ3戦後にコンストラクターズランキングでメルセデスに敗北した。


 今回のロゴはフィリップモリス社のキャンペーンだが2007年以降、タバコのロゴ広告は禁止されている。フェラーリの大スポンサーである同社は、ドライバーフィーなど数十億円(推定)を受け持っており、2017年9月から新規の複数年契約を継続中だ。


☆レース部門 第4戦アゼルバイジャンGP

 大荒れのバクー市街戦、3コーナーでうずくまったボッタスの悲劇。コース上のデブリのせいでタイヤがパンクしDNF(完走扱い14位)。あのまま勝てていたら、第4戦時点で1位ボッタス65点、2位ベッテル64点、3位ハミルトン63点。チャンピオンシップの流れも少なからず変わっていたはず……。


☆レギュレーション部門 混迷の未来規定

 導入されたコクピット保護システム『ハロ』によって、第13戦ベルギーGP多重事故の被害者シャルル・ルクレールは助かったと報告したFIA。ハロの安全対策装置としての正当性をアピール、今後さらに見た目のデザインは再検討すると言う。


 それはともあれ未来レギュレーション、2019年空力規制や2021年パワーユニット新規定・問題に関しては賛否両論がある。すっきり、はっきり、もっと分かりやすくできないのだろうか……。

■グダグダな戦略で自ら後退したフェラーリ

☆ピットワーク部門 フェラーリ

 第17戦日本GP、予選Q3で起きた不可解な出来事。確かに一部でパラパラ雨がおちてはいたけれど、2台ともインターミディエイトタイヤの装着は“大穴”狙いのギャンブル(?)。タイムを出すことができず、すぐにふたりはピットに戻りスーパーソフトタイヤへ。しかし、ベッテルの左フロント交換作業は遅れ、予選9位に後退。崖っぷちだったフェラーリは自ら底へと……。


☆タイヤ部門 スーパーハードタイヤ

 ハードタイヤが供給されたのはイギリスGP一度だけ、とうとうスーパーハードはまったく出番なし。7つのコンパウンドをカラフルに取り揃えたのはなんだったのか。2020年から23年までピレリが新たなF1公式タイヤとして4年契約することが11月25日に決定。2019年は硬いC1から柔らかいC5まで“5スペック”になるとのこと。


☆ファミリー部門 アロンソ家

 めったにグランプリ観戦に来られないフェルナンド・アロンソのご両親がアブダビGPにいらっしゃった。父ホセ・ルイス・アロンソさんの前でフェルナンドの表情はレーサーではない『素顔』に。親と子はスタート前に、こみ上げる感情を抑えがまんしているようだった。家族愛に敬意を表し<ベスト・ファミリー賞>とします。 



(Jun Imamiya)




レース

4/19(金) フリー走行 12:30〜13:30
スプリント予選 16:30〜17:14
4/20(土) スプリント 12:00〜13:00
予選 16:00〜
4/21(日) 決勝 16:00〜


ドライバーズランキング

※日本GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン77
2位セルジオ・ペレス64
3位シャルル・ルクレール59
4位カルロス・サインツ55
5位ランド・ノリス37
6位オスカー・ピアストリ32
7位ジョージ・ラッセル24
8位フェルナンド・アロンソ24
9位ルイス・ハミルトン10
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※日本GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング141
2位スクーデリア・フェラーリ120
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム69
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム34
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム33
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム4
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー0
10位BWTアルピーヌF1チーム0

レースカレンダー

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