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F速分析:ウイリアムズの消極的な戦略

2014年6月23日

LAT

 オーストリアGPは、メルセデスAMGのワンツーフィニッシュに終わりました。予選でフロントロウを独占したウイリアムズは、結局3位と4位。メルセデスAMGはブレーキに若干難があったものの、大きなトラブルの無い状態で、今季初めて他チームに苦しめられました。

 とはいえ、ウイリアムズの戦いぶりは、ちょっと残念だったように思います。戦略次第では、もっとメルセデスAMGを苦しめることができたはずですし、場合によっては勝ちも狙えたはず。そう思えてならないのです。

 まずは最初のピットストップです。3番手を走行していたメルセデスAMGのニコ・ロズベルグは、11周目に上位勢の先陣を切ってタイヤ交換を行います。これで6番手まで順位を落とし、フォースインディアのセルジオ・ペレスの後ろでコースに復帰。その2周後、今度はルイス・ハミルトンがピットインしますが、ロズベルグの後ろになります。ウイリアムズはと言うと、その翌周にようやく動き、まずはフェリペ・マッサをピットに呼び込みます。しかし、このピットストップで、メルセデスAMGの2台が先行。その次の周にバルテリ・ボッタスもピットインし、なんとかハミルトンの前では戻ったものの、ロズベルグが前になってしまいます。

 メルセデスの側からしてみれば、新品のタイヤを先に履いてペースを上げ、先行車の前に出るといういわゆる“アンダーカット”戦略を成功させたという格好です。ただ、解せないのは、順位を争っているロズベルグが入ったにも関わらず、なぜウイリアムズはすぐ次の周にマッサなりボッタスなりをピットインさせ、ロズベルグの前を抑えなかったのかということです。“ペレスとの差を十分開くのを待った”のかもしれませんが、8周目頃からマッサとペレスのペースはほぼ一緒であり、いずれにしてもペレスの前でコースに復帰するのは不可能。それならばせめてロズベルグの前を抑えることを、2台のうち1台でもトライさせていれば、結果が異なった可能性もあります。


 確かにギャンブル的要素を秘めていますし、成功しなかった場合の代償(今回の場合はタイヤが最後までもたないかもしれない)は大きいかもしれません。しかし、敵はそのギャンブルにトライしました。ロズベルグはレース後のコメントで「ウイリアムズを抜くために、ピットに早く入るというアグレッシブな方法を選んだ」と認めています。
 本来ならばメルセデスAMGが採った戦略は、挑戦者であるはずのウイリアムズが採らなければならない戦略だったのではないでしょうか?

 ただ、ペレスが前を抑えたことで、ロズベルグ〜マッサまでは非常に僅差の接近戦を繰り広げることになります。しかも、ペレスがピットインして前が開いた後も、ウイリアムズのふたりはメルセデスAMGに離されることなく、食らいついていきます。35周目頃までは、まだ勝利の可能性はウイリアムズにもありました。

 ハミルトンが39周目に2回目ピットインを行ない、マッサの“アンダーカット”を封じると共に、ボッタスを“アンダーカット”することに成功。これで今季見慣れたワンツー体制が、今回も完成したのです。しかも、今度はハミルトンの動きに対してボッタスは3周、マッサは4周遅れての反応。この時点でウイリアムズの勝ちは、完全に消し飛んでしまいました。“勝ちを狙いに行ったのではなく、最後までしっかり走り切る”ことに重きを置いたのかもしれませんが、すぐに反応するか先に動いておけば、勝利の可能性が目に前にあっただけに、貪欲に狙いに行って欲しかった……と考えるのは私だけでしょうか?

 レース後のマッサのコメントも印象的でした。「我々は進化した。しかし、メルセデスとのギャップを埋めるために、まだ働かなければいけない」。彼らがより進化して、貪欲に勝利を狙える日が来ることを、切に願いたいと思います。




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