第3戦バーレーンGPの初日午後のフリー走行で、Lucky Strike B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは9番手。佐藤琢磨はセッション半ばにエンジンをストールさせてしまい満足に走リ込めなかったものの、セッション終盤にはコースに復帰し、12番手に付けた。
前回のレースを病気欠場した佐藤だったが、バーレーンにはいっそう日焼けした元気な顔で登場した。ここバーレーンGPも、マレーシアに続く灼熱のレース。2週間前の初日セッションは、最高気温38Cの酷暑だったが、バーレーンの初日もほぼ同じ気温となり、路面温度も50Cを上回った。しかもここは、砂漠地帯の真ん中に作られたコースのため、周囲からひっきりなしに砂が運ばれてくる。それもあって路面のグリップが非常に低く、午前中の1回目フリー走行ではサードカーを除いて周回数は少なく、バトンが5ラップの周回。佐藤はギアボックスにトラブルが発生したことから、インスタレーションラップのみ2周の走行にとどまった。
午後には路面コンディションも良くなり、各車積極的に走行を重ねていく。B・A・R Hondaもロングランでのタイヤ評価などを順調にこなした。ところがセッション中盤に、佐藤が第8コーナーのヘアピンでスピン。マシンにダメージは無く、そのままコースに復帰しようとしたが、突然エンジンがストールしてしまった。佐藤はピットに戻るまでの間、惜しくも走行時間を失ってしまったが、セッション終了数分前にコースに復帰。チェッカーまでの計測周回は3周に留まったが、12番手タイムを記録した。バトンはセッション中盤に1分33秒037の暫定4番手タイムを記録したが、最終的に9番手となった。この日のトップタイムは、マクラーレンのサードドライバー、A・ブルツだった。
ジェフ・ウィリス B・A・R Hondaテクニカルディレクター
「今日はチームにとって良いことと悪いことが同時に起きてしまった1日だった。ジェンソンは 予定通りプログラムを進めることができたが、琢磨はギアシフトに問題が出て、午前中のセッションをほとんど走ることができず、午後のセッションではスピンした後にエンジンがストールしてしまい、そのおかげで満足に走ることができなかった。しかしセッションの最後には限られた周回数だったものの、良い状態で走らせることができた。現在のラップタイムには概ね満足しているが、ハンドリングを向上させるため、今夜はまだ作業を続ける必要がある」
中本修平 エンジニアリング・ディレクター
「今日は生産的且つ多くのことを学べた1日でした。残念なことに、琢磨選手はエンジンストールが起きてしまったため、満足に走ることができませんしたが、ジェンソン選手は予定したプログラムを完了できました」