F1マレーシアGPは56周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたルノーのフェルナンド・アロンソがそのまま独走で通算2勝目となる優勝を飾った。2位にはトヨタのヤルノ・トゥルーリが入り、2002年にトヨタがF1参戦を始めて以来初となる表彰台を獲得した。
午後3時にスタートが切られるF1マレーシアGP。スタート30分前の午後2時30分過ぎ、水蒸気が空気中に充満し、視界が霞んで来た。湿度が上昇傾向だ。スタート直前の天候は薄曇、気温37度、路面温度51度、湿度49%。ほぼ無風というコンディション。
午後3時、フォーメイションラップがスタート。セパンのグリッドは必ずしも奇数側有利とは限らない。最終コーナー立ち上がってから1コーナーへアプローチするレーシングラインがストレートを斜めに横切ってるためだ。
スタートはアロンソがよく、トゥルーリ、ルノーのジャンカルロ・フィジケラの順で1コーナーに進入していく。曲がりくねる1〜2コーナーだが、大きな混乱はなし。オープニングラップはアロンソ、トゥルーリ、フィジケラ、マーク・ウエーバー、ラルフ・シューマッハー、キミ・ライコネン、ジェンソン・バトンの順だが、1コーナーでバトンがライコネンをパスして6番手に浮上する。
しかし2周目、そのバトンのホンダエンジンから白煙が上がり、同時にBARホンダのもう一台、アンソニー・デイビッドソンのエンジンからも白煙が上がって失火する。バトンはターン4で、デイビッドソンはターン7でリタイアを喫する。あっという間のBARホンダ全滅劇だった。バトンの撒いたオイルの影響か、ミナルディのパトリック・フリーザッハーが1コーナーでコースオフ、リタイアとなっている。
序盤は特に大きなバトルもなく、各車の間隔が開いていく展開。1回目のピットインが近付いていくにつれて各車ペースが上がり、アロンソがファステストラップを叩き出し続ける。
上位で最初にピットインを行ったのは10番手クリスチャン・クリエンで、18周目にピットイン。20周目にはラルフ・シューマッハー、7番手ハイドフェルドらがピットイン。翌周には首位アロンソ、2番手トゥルーリが同時ピットインを行っている。
1回目のピットインが終わってからも上位に大きな変動はなかったが、レースが動き始めたのは中盤。3番手フィジケラが遅れはじめ、ウエーバー、ラルフらが1秒を切る間隔に迫ってきたのだ。31周目には3台がダンゴ状態となり、最終コーナーでラルフがウエーバーのインを突くも2台は軽く接触。さらにそのインからハイドフェルドが追いつき、3台は1-2コーナーを過ぎるまで丁々発止の大バトル。結局フィジケラ、ウエーバー、ハイドフェルド、ラルフの順位となった。
絶不調なのはフェラーリ勢。昨年の王者は10番手前後で2台が苦しみ、ザウバー、レッドブル勢らとバトル。38周目にはバリチェロがピットインするが、リグが抜け遅れをとる。結局バリチェロはその後タイヤの摩耗が激しくなり、ズルズルと順位を落としリタイアを喫している。
あいかわらずペースの上がらないフィジケラに対し、36周目の最終コーナーでウエーバーがアウトからアプローチ。2台は激しく接触してリタイアとなった。ハイドフェルド、ラルフ、モントーヤらが揃って順位を上げる。ミハエル・シューマッハーもようやく8番手に上がってきた。
その後、2回目のピットインを各車行うも、大きなバトルはチェッカーまで起きず、そのままゴール! アロンソにとっては、2003年ハンガリー以来の通算2勝目となった。
2位はトゥルーリで、トヨタにとっては参戦4年目、通算53戦目の初表彰台である。3位以下はハイドフェルド、モントーヤ、ラルフ、クルサード、ミハエル・シューマッハー、クリエンがポイント獲得。
ドライバーズ・ランキングはアロンソがトップ、フィジケラ2位。コンストラクターズ・ランキングはルノーが26点でトップ、トヨタが12点で2位、フェラーリとウイリアムズが10点となっている。