F1ベルギーGPは44周の決勝レースが行われ、マクラーレンのキミ・ライコネンが今季初優勝。通算2勝目を飾った。2位にミハエル・シューマッハーが続き、5年連続となるワールドチャンピオンを決めた。
昨日は雨に見舞われたスパ−フランコルシャンだったが、決勝スタートが切られる午後2時前の天気は晴れ。気温20度、路面温度25度、湿度60%と、まずは絶好のレース日和である。スパ−フランコルシャンのグリッドはモナコと同じようにイン側が奇数、アウト側が偶数ポジションである。1コーナーまでの距離が短いのが特徴だ。
14時、フォーメイションラップがスタート。長い1周のフォーメーションを終え切られたスタートはルノーの2台がよく、4番手スタートのデイビッド・クルサードもシューマッハーを抜く。しかし、レースは1周目から大混乱となる。
1コーナーで何台かが小接触。さらに、オー・ルージュ上でジャガーのマーク・ウエーバーが佐藤琢磨に追突。琢磨の後方の中団以降が大混乱となり、琢磨をよけようとしたミナルディのジャンマリア・ブルーニにジョーダンのジョルジョ・パンターノが追突。ミナルディから発火したが、すぐに収まった。結局、その場で琢磨、ウエーバー、ブルーニ、パンターノがリタイアとなってしまった。即座にセーフティカーが出動する。
オープニングラップを終えるころには、1周目に接触やトラブルに見舞われたジェンソン・バトン、フェリペ・マッサ、ゾイト・バウムガルトナー、ルーベンス・バリチェロ、ニック・ハイドフェルド、オリビエ・パニスらが一斉にピットイン。修理を受け戦列に復帰するが、マッサ、バリチェロは翌周にもピットイン。バリチェロはリヤウイングを交換している。
3周目のオーダーはセーフティカーを先頭に、ポールスタートのヤルノ・トゥルーリ、フェルナンド・アロンソ、クルサード、シューマッハー、ライコネン、ファン−パブロ・モントーヤ、ジャンカルロ・フィジケラ、アントニオ・ピッツォニア、クリスチャン・クリエン、リカルド・ゾンタがトップ10となっている。
リスタートが切られたのは4周目。ライコネンが猛然とダッシュし、シューマッハーをパス! さらに抜かれたシューマッハーにモントーヤがアタック。トップ4はルノーとマクラーレンの独占状態となった。モントーヤは、バスストップ・シケインの進入でシューマッハーをパス。シューマッハーは6番手までドロップした。ライコネンはさらにチームメイトのクルサードもパスし、一気にルノー勢に近付く。5周目以降トップ3台が4番手以下を置き去りにする展開となった。
上位陣で1回目のピットインを行ったのは、トゥルーリ。10周目にピットイン、9.8秒でピットアウトした。しかし、代わってこの周トップに立ったアロンソは、自らのオイルに乗ってケメルストレートエンドでスピン! ライコネンに抜かれたアロンソは、さらに下りコーナーでスピンし、コースアウト、リタイアとなった。さらに4番手クルサードも右後輪をパンクさせてピットインする。
その他の上位陣は、13周目から17周目にかけてピットイン。18周目にはピットアウトしたシューマッハーが一気にトゥルーリをパス。トゥルーリに異変か? あきらかにペースが伸びない。
上位陣の順位が落ち着き始めたのは、19周目。ライコネン、バトン、シューマッハー、トゥルーリ、モントーヤ、ピッツォニアの順位で続く。ペースが悪いトゥルーリにモントーヤが迫り、最終シケインでシューマッハーと同様にパスしようと試みるが、モントーヤがトゥルーリにヒット! トゥルーリはスピンし、モントーヤはもたつく間に後続のピッツォニアに抜かれてしまった。
その後レースはわずかに落ち着きを取り戻すが、29周目に首位ライコネンが最後のピットインを終えると、またもアクシデントがおきる。この周のケメルストレート・エンドでバウムガルトナーを抜こうとしたバトンの右後輪がバースト! バトンはスピンし、ミナルディを巻き添えにリタイアとなった。1周目のアクシデントを乗り越え上位に迫っていたバトンだったが、結局BARは全滅。BARの2台リタイアは今季初となった。
このアクシデントにより、30周目、セーフティカーが出動し。同時にシューマッハーがピットインし、ライコネンの真後ろにシューマッハーがつく形となった。3番手にはピッツォニアがつけ、トップ2台に迫ろうかという勢いだったが、31周目のセーフティーカーラン中に1コーナーでスローダウン、そのままストップし、初表彰台を逃がすことになってしまった。