F1ベルギーGPは雨模様の中、予選が行われ、雨が少なくなったタイミングを衝きルノーのヤルノ・トゥルーリがモナコGP以来となるポールポジションを獲得した。
午後1時からの予選1回目のコンディションは曇り、気温17度、路面温度19度。ところによって細かい雨が降っており、野外の観客は傘をさしている。路面はウエットで、セッション開始4分前に、ウエット・トラック宣言が出される。エクストリーム・ウェザー・タイヤの使用が認められた。
13時、まずは前戦のウイナー、ミハエル・シューマッハーがコースイン。タイヤはエクストリーム・ウェザーで、タイムは1分53秒755。続くルーベンス・バリチェロはセクター3はシューマッハーより速かったが、2番手となった。
しかし、続くフェルナンド・アロンソからファン−パブロ・モントーヤ、ジェンソン・バトンまで、フェラーリ勢にまったく届かない。どうもミシュラン勢はセクター2が大きく遅れているようだ。続く佐藤琢磨も同様。7番手アタックのアントニオ・ピッツォニアは7番手。走るたびに遅くなってゆく印象が強い。
しかし、続いて登場したジャンカルロ・フィジケラは3番手にジャンプアップ。セクター2も速く、ブリヂストンとミシュランのウエット・タイヤの性能差がタイム差となって表れているようだ。9番手デイビッド・クルサードはモントーヤに次ぐ5番手。10番手マーク・ウエーバーは5・6秒遅れの10位。セクター1はシューマッハーと1秒と違わないが、セクター2が4秒も遅い。
それからも、ブリヂストンを履く下位チームがミシュランを履く中位チームを上回るケースが増える。19番手アタックのフェリペ・マッサはセクター2がすばらしく速く、フェラーリ勢に次ぐ3番手へ。ラストアタッカーのキミ・ライコネンの番になると雨は上がり、シューマッハーの1.6秒遅れの3番手にジャンプアップするが、これでトップ5のうち、4台がブリヂストン勢という結果となった。
予選1回目の区間最高タイムはセクター1、2がシューマッハー、3がバリチェロ。佐藤琢磨は11番手で、本予選は10番手のアタックとなる。
コース距離の長いスパだけに、短いインターバルをおいてすぐに予選2回目が始まる。気温18度、路面温度20度。降雨はないが、依然ウエット路面である。最初のランナー、トヨタのリカルド・ゾンタは慎重過ぎる走りで2分03秒台。続くミナルディのジャンマリア・ブルーニはセクター2がゾンタより速く1.2秒ゾンタをしのいだ。
続くオリビエ・パニスの頃になると、小雨が落ちて来た。それでもさすがにベテランの底力、ブルーニには3秒差をつけた。続くアタッカーのゾイト・バウムガルトナー、ニック・ハイドフェルドはパニスのタイムを上回れない。この頃になると、小雨ながら雨が強くなって来た。このまま雨が強くなると意外なドライバーがポールシッターになることもあり得る。
6番手アタッカーのクリスチャン・クリエン、7番手アタッカーのジョルジョ・パンターノは後れをとるものの、8番手アタックのマーク・ウエーバーは全区間パニスより速く、パニスを0.8秒差に下してトップに立った。
雨は強くなったり弱くなったりを繰り返す。9番手アタックのアントニオ・ピッツォニアはセクター1最速ながら、セクター2がとたんに遅くなる。続く佐藤琢磨もセクター2が遅い。タイヤのグリップがなくなってしまったのか? このままではまともに走ったなかでは今季最悪のポジションになりそうだ。