2005年F1GPシーズンの最終戦となる、第19戦中国GPの決勝が、中国・上海の上海・インターナショナル・サーキットで行われた。好天の下、気温25度、路面温度28度、湿度26%というコンディションで、午後2時に56周の決勝レースがスタート。ヤルノ・トゥルーリは、17周目に最初の給油ピットイン直後、不運にもセーフティカーが導入され、大きく順位を落とし15位でフィニッシュ。一方、5位へと順調に順位を上げてきたラルフ・シューマッハーは、29周目に2回目のセーフティカーが導入されたのを機に、勝負を賭けた。相次ぐトップグループの給油ピットインを横目に、無給油でリードを広げる戦略に出たラルフ・シューマッハーは、終盤54周目に給油ピットインするものの、見事3位でフィニッシュ。自身今季2回目の表彰台を獲得。パナソニック・トヨタ・レーシングは、今季5回目の表彰台獲得を果たし、コンストラクターズランキング4位でF1参戦4年目、V型10気筒エンジン最後のシーズンを締め括った。
優勝はF.アロンソ(ルノー)であった。
ラルフ・シューマッハー:
「パナソニック・トヨタ・レーシングでの最初のシーズンを素晴らしい結果で締め括ることが出来た。特に、この週末はかなり厳しい戦いを強いられただけに本当に嬉しい。“TF105B”は予選と決勝レース序盤では本当に運転するのが困難だったが、最初のセーフティカー導入は、まさに願ってもないタイミングであった。先週の日本GPでは不運に見舞われたが、その運を今回取り返せたように思う。チームは見事な戦略を駆使し、2回目のセーフティーカー導入の後には、2位につけることが出来た。その時点で、“TF105B”は信じられないほど良いハンドリングとなり、望み通り、F.アロンソとの差を広げずに維持出来た。ピットストップも素晴らしく、チームの全員に多大な感謝を捧げたい。今年は、長い全19戦中、14戦でポイントを獲得出来た。来シーズンはより上位を目指して行く」
ヤルノ・トゥルーリ:
「私にとっては全てが上手く行かない、厳しい一日だった。週末を通じて、“TF105B”のハンドリングに苦戦するのはわかっていた。最初のスティントではバランスは悪くなかったが、その後の10周では、左フロントタイヤの振動に悩まされた。そして、1回目のセーフティカー導入が、私が給油ピットストップを終えた直後であったため、私の上位進出のチャンスは失われてしまった。2度目のセーフティカー導入の際に、最後まで走りきれるだけの燃料を搭載し、挽回を図ったが、終盤、左フロントタイヤを交換するためにピットインせざるを得ず、順位を落としてしまった。とはいえ、私にとって2005年は素晴らしいシーズンであり、チーム全員に感謝したい。もっと多くの表彰台やポイントを獲得出来るチャンスもあったが、強力なパフォーマンスを見せることは出来た。来る2006年シーズンでは、さらなる飛躍を期待している」
マイク・ガスコイン:シャシー部門テクニカルディレクター
「この表彰台は、シーズンを通じて、レースチーム、そしてケルンでハードワークを成し遂げてくれた全てのスタッフに捧げるものである。そして“TF105B”と共に臨んだ中国GPで、素晴しい結果を得て帰還出来ることに、全ての関係者に感謝したい」