1年近くF1から遠ざかっていた1997年のワールドチャンピオン、ジャック・ビルヌーブは、中国GPでF1復帰を果たした。
かつてウイリアムズやBARで走っていたビルヌーブは、今季最後の3戦でヤルノ・トゥルーリに代わってルノーをドライブした後、2005年にはザウバーから完全復帰を果たすことになった。ビルヌーブは、ザウバーが上位に進出するのを助ける使命を担うことになるが、このチームでは優勝はできそうもないことに十分気付いている。トップチームが来季3台のマシンを走らせる可能性がささやかれ始めた今、それによってもっと上のチームのシートが空くことになるかもしれない。そのため、ビルヌーブは中国GPの金曜記者会見の席で、来季ザウバー加入を選択したのは正しかったと感じているか、と質問された。しかしビルヌーブは、自分の選択に満足しており、来季はやる気満々で戦える、と答えた。「僕は悪い状況で5年間ドライブしたが、モチベーションは失わなかった。来年はとてもポジティブな雰囲気になるはずだし、大事なのはそこだよ。BARが今年成し遂げた進歩を見てごらん。何が起こるか分からないよ。だが今は、来年については考えることさえしていない。来月の仕事だけで精一杯だからね。でも、来年に関しては満足しているよ」と、ビルヌーブは語った。
まだザウバーに加入したわけではないのだが、ビルヌーブは、同チームに長く関わるのかどうかという質問を受けた。それに対してビルヌーブは、トップチームへの復帰の踏み台にしようとしてザウバーに加わったわけではない、と述べた。「僕は、あるチームを別のチームのために利用したことなんかないよ。僕の契約が早すぎたとか、もっと待っていれば自分の値打ちが上がっただろうとかいう人もいるけど、そんなのは僕のやりたかったことじゃないし、正しいやり方じゃない。だから、今はそんな風に考えたりはしていないんだ」
ビルヌーブは来季、フェリペ・マッサと組むことになるが、マッサについてはかつて批判的だった。しかしビルヌーブは、来年同僚になっても問題はないという。「1年目には、僕は批判的だった。1年目には誰でも、学ばなくちゃならないし、間違いも犯すものだ。人が学んでいるなら、間違いを批判するのは何も悪いことじゃないよ。そして彼は、今ではとてもいい仕事をしているようだ。誰にも何にも迷惑をかけたりしないし、とてもいいことだよ」「彼は、かなり経験を積んでいて、フェラーリでテストドライバーもしたし、ザウバーでずいぶん長い間ドライブしている。だから、素晴らしいと思うよ」