新しい上海インターナショナル・サーキットを走行した現役F1ドライバーたちは、ほぼ例外なくヘルマン・ティルケのデザインによるレイアウトを絶賛した。また、かつての名ドライバーたちが競い合うサポートレースが行われたが、それに出場した元スターたちも同意見だった。F1レースがこの週末の中心ではあったが、たくさんのサポートレースも行われた。そして“フォルクスワーゲン・ポロ・セレブリティ・レース”では、大勢の元F1ドライバーたちが、このサーキットを実際に走ってみるチャンスを得た。彼らは、金曜日にこの新しいコースを走った後、大いに賞賛した。
F1で13年間走った後、英ITVの解説者となったマーティン・ブランドルは、上海のサーキットは非常にテクニカルなコースだと考えている。「正確に走って、マシンの位置取りによく気をつける必要がある。ここのコーナーをアタックしても引き合わないからだ。高速コーナーが2つあってまったく油断できない。渦巻き形のところはラインがあまりはっきりしない。スイートスポットを見つけるのはとても難しいが、今のF1ドライバーたちなら10周もすればベストなレーシングラインを見つけだせるだろう」ブランドルは、このサーキットはかなりマシンに左右されるコースだと付け加えた。マシンのセットアップが正しくなければ、ドライバーのインプットが拒否されてしまうというのだ。「これらのコーナーではアンダーステアが起こるだろうから、正しいバランスが重要だよ。“ノアの方舟”のような予選になるかもしれないね。つまり、チームのやり方次第で、マシンが2台ずつ、順にグリッドに並ぶことになるかもしれない。コーナーでは抑制したアタックをすることだ。アグレッシブに行くのはダメだね」
元フェラーリドライバーのステファン・ヨハンソンによれば、このコースはいいリズムを持っているが、そのレイアウトには驚かされたという。「コーナーは難しすぎるということはないが、マシンバランスがとてもよく取れていることが必要だ。タイヤの摩耗は厳しいだろうね」と、ヨハンソンは述べた。もうひとりの元フェラーリドライバー、イバン・カペリもこのコースのレイアウトには驚かされたという。ブランドルと同様、カペリも現在はテレビの解説者を務めており、サーキットについては経験と知識が豊富だ。「高速から低速まで、傾斜も様々なコーナーがバラエティ豊かに揃っているからこのコースは好きだね。路面にはまだあまりラバーが乗っていないから、もっとスピンが起こるだろう。ほとんどの追い越しは6コーナーと14コーナーで起こると思うよ」「体力も重要だ。キツい減速や横Gのかかる場所がたくさんあるからね。(ジャック)ビルヌーブは苦労するかもしれないよ。コンディション調整が十分ではないし、ここはF1に復帰するには厳しいコースだ」