F1速報

  • 会員登録
  • ログイン



【レースの焦点】ライバル以上の“コーナリング性能”を生む、タイヤ選択の新たな可能性

2016年4月5日

 今宮雅子氏による2016年バーレーンGPの焦点。今季から導入された3スペックのドライタイヤと選択の幅が広がったことで、レースは大きく変わった。新たな戦い方をものにして、バーレーンの夜を盛り上げた役者たちをクローズアップ。

・・・・・・・・

 マシンとコンディションに合ったタイヤを正しいタイミングで投入すれば、オーバーテイクはサーキット全体に広がり、レースが活気づく。新タイヤ規則の効果が花開いたバーレーンGPになった。

 ライバル対比の強みがストレート速度なら、DRSゾーンで勝負を決めるのが定石。逆に、最高速よりコーナリング性能が長所のマシンで対抗するなら、ストレートは接近するために使い、前後のコーナーでドライビングの技を駆使するのが醍醐味──タイヤ戦略の選択肢が広がったことによって、ドライバーはレース中の要所要所でライバルよりも優れた“コーナリング性能”を創造することが可能になった。作戦に失敗したウイリアムズ、緊急ピットインのあと残り周回を2ストップで走り切ろうとしたフォース・インディアが、守り切れなかった所以だ。

 9周目にスーパーソフトタイヤからソフトに交換したマクラーレンのストフェル・バンドーンは、11周目のターン4でニコ・ヒュルケンベルグ(ソフト10周目)をパス。12周目には低速ターン10の立ち上がりを活かして、バックストレートでセルジオ・ペレス(スーパーソフト10周目)を抜き去った。デビュー戦とはいえ、何度もバーレーンを走ったGP2チャンピオンは、コースの使い方を心得ている。

 3スティント連続でスーパーソフトを投入するアグレッシブな戦略を採用したロマン・グロージャンは、17周目のターン10出口でフェリペ・マッサ(ミディアム10周目)のイン側に並んでターン11で前に出た。24周目のターン4ではダニエル・リカルド(ソフト18周目)をオーバーテイクするのに成功。

 グロージャンが素晴らしいのは、スーパーソフトで「攻め続ける」のではなく、マシンのストレート速度を活かしてタイヤを労わりながら我慢強く走り、必要に応じてグリップ力を最大限に引き出している点だ。リカルドを抜いた周も、その次の周も、13周以上走ってきたスーパーソフトのラップタイムは決して速くない。でも、この第2スティントで16周踏ん張ったことが第3スティントの負担を軽減、ほぼ全ラップを1分37秒台で走るという、グロージャンらしい正確なペースを実現した。

 マシンもスーパーソフトに合わせてセットアップしていたグロージャンは、ソフトに交換した最終スティントでも再びマッサ(ミディアム17周目)をパス。46周目のターン1、ウイリアムズのアウトに並んだハースはターン2のエイペックスに向かって、すばやく姿勢を変えて加速し、先行した。「Awesome!(最高だ!)」とアメリカンチームは祝福。ドライバーを信頼し、セーフティカー出動もないクリーンなレースで得た5位は、堅苦しいF1チームとはちょっと違う、アメリカのレーシングスピリットを見事に象徴している。





レース

4/19(金) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
4/20(土) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/21(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※中国GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第5戦中国GP 4/21
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.3 第2戦サウジアラビアGP&第3戦オーストラリアGP