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レッドブル&HRC密着:“因果応報”の9勝目。黄旗区間での減速が勝負を分ける「不必要なスロー走行はしていないからね」

2024年12月2日

「因果応報だね」


 これは、F1第23戦カタールGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がトップでチェッカーフラッグを受けた直後に、フェルスタッペンのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが無線でフェルスタッペンに送ったメッセージだった。


 何が因果応報だったのか。それを説明するには、土曜日の予選後にフェルスタッペンに科せられたペナルティに触れなければならない。


 前日の予選でポールポジションを獲得したフェルスタッペン。しかし、Q3のアタックに入る前の走行中に、不必要に遅く走行して、結果的にジョージ・ラッセル(メルセデス)の進路を妨害したとして、スチュワード(レース審議委員会)から1グリッド降格のペナルティを科せられていた。しかし、フェルスタッペンはふたりともアタックに入る前のラップだったため、妨害には当たらないとして裁定には満足していなかった。


「正直、あれでペナルティをもらうなんて信じられない。おそらく、アタックしていないラップでペナルティを受けたのは、今回が初めてだと思う。スチュワードの部屋に座って、そこで何が起きたことに、とても驚いた。正直に言って、とても残念だった。僕たちは、みんなお互いをとても尊重し合っていると思っていたからね。でも、現実はそうじゃなかった。誰かが誰かをあそこまでひどく陥れようとしている人を見たことはない。あそこまで誰かをひどく陥れようとしているのを見たんだからね。僕のなかで彼に対する尊敬の念はすべて失ったよ」


 フェルスタッペンはそう言って、ラッセルを非難した。


 不本意ながらも2番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、1コーナーでそのラッセルのインを差してトップの座を奪い返す。そして、その後は2番手に上がってきたランド・ノリス(マクラーレン)と優勝争いを繰り広げていく。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第23戦カタールGP スタートでトップに立ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 勝負の分かれ目となったのは、30周目に出たダブルイエローフラッグだった。この直前にアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)のサイドミラーが落下し、それを回収するためにホームストレートエンドでダブルイエローが提示されていた。29周目の最終コーナーでは1.829秒の差をノリスにつけていたフェルスタッペン。ダブルイエロー区間で減速したフェルスタッペンに対して、ノリスは原則を怠ったため、その差が一時1.081秒に縮まった。


 そこでフェルスタッペンは無線でノリスが減速していないかどうかチェックするようランビアーゼに伝え、減速していないことを確認したランビアーゼは、スポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーを通して、そのことをレースコントロールに報告した。


 レースコントロールも走行データからその事実を確認し、ノリスにストップ・アンド・ゴーのペナルティを科した。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第23戦カタールGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 最大の敵がいなくなったフェルスタッペンは、その後も安定した走りでトップを堅持。第21戦サンパウロGP以来、ドライコンディションでは第10戦スペインGP以来となる決勝レースでの優勝を遂げた。


“不必要に遅く走行した”として、土曜日にペナルティを受けたフェルスタッペン。この日はイエロー区間で減速していたことで、結果的に勝利を大きく引き寄せることとなった。チェッカーフラッグの後、「因果応報だね」とフェルスタッペンに語りかけたランビアーゼはこう続けた。


「だって、今日、君は不必要にスロー走行していたわけではないからね」


 その言葉を聞いたフェルスタッペンは、こう言って笑った。


「それ、最高だよ!」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第23戦カタールGP 今シーズン9勝目を挙げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第23戦カタールGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)



(Masahiro Owari)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 22:30〜23:30
フリー走行2回目 26:00〜27:00
4/19(土) フリー走行3回目 22:30〜23:30
予選 26:00〜
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

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