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【F1技術解説】2024年型マシンの内部はどう変わったか(1)レッドブルRB20の冷却系とフェラーリSF-24の衝撃吸収構造

2024年3月7日

 2024年F1開幕戦バーレーンGPで、今季型マシンが本格的な走行を開始した。注目5チームが投入したマシンと前年型との違いを、F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが観察、マシン細部の画像も紹介する(全2回)。


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■レッドブルRB20


レッドブルRB20
レッドブルRB20と昨年型RB19との比較

 エイドリアン・ニューウェイはRB20の開発にあたって、特に冷却系を完全に見直した。
 水平の吸気口 (緑色の矢印) から入った空気は、去年のRB19のようにひとつのラジエターではなく(下写真の黄色矢印)、2016年のフェラーリとハースのように、V字形に配置された2つのラジエターに供給される (上写真の黄色矢印)。


 一方、薄い垂直の吸気口 (上写真の赤矢印) によって取り込まれた空気については、正確にどこに流れて行くのかはよくわかっていない。確かに言えることは、コクピット側面の境界層を浄化するということだ(極端に縦長かつ平坦な形状では、気流が剥離する危険がある)。


 RB20ではドライバー両肩の位置に吸気口が設けられたが、ここからは小さなラジエターに空気が供給され、エンジンカウルのサイドベントから熱気が排出される(濃い青の矢印と水色の矢印)。

レッドブルRB20
レッドブルRB20と昨年型RB19との比較


 マシン前部を見ると、モノコックの断面形状がRB19よりさらにV字型になったように見えることを除いて、ほとんど変更はない(上の2枚の比較写真)。

■フェラーリSF-24


フェラーリSF-24
フェラーリSF-24と昨年型SF-23との比較

 開幕戦ではレッドブルにかなわなかったフェラーリだが、マシンの進化は確かだ。SF-24もRB20同様、内部に多くの変更が加えられた。


 去年のSF23はモノコックの設計上、側面衝撃を吸収する下部バーの位置が高すぎたため、かなりの制約の下でシーズン中のアップデートをせざるを得なかった(黄色矢印参照)。


 そこでSF-24では、下部バーを低く設定。SF23との比較写真を見れば、サイドポンツーンの高さではなく、フロア近くまで下がっていることがよくわかる。


 この配置のおかげで、サイドポンツーンのエアインテーク下に、より顕著なアンダーカットを作ることが可能になった。同時にエアインテーク自体の位置も、高くなっている。突き出た下唇のようなエアインテークの形状は、気流をアンダーカットおよびサイドポンツーンの下側に向ける機能を果たす。一方でラジエターの設置角度も、SF-23より水平になっていることがわかる。

フェラーリSF-24
フェラーリSF-24と昨年型SF-23との比較


 モノコック断面の比較写真を見ると、ステアリングラックが持ち上がっているのが明らかだ。さらに顕著なのがアッパーアームの取り付け位置で、後ろのアームがかなり低い配置になっている(水色矢印)。


 このジオメトリは2022-23シーズンのレッドブルからインスピレーションを得たもので、ブレーキング時に車がノーズダイブする傾向を制御する役割を果たす。圧力の中心が急激に前方に移動しないため、SF24のコーナー中の挙動は去年より安定しているはずだ。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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