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【F1無線レビュー前半戦まとめ】「ハッピーバースディ・トゥ・シャーロット♪」ノリスの人柄と強い絆が見えたやり取り

2022年8月19日

 2022年シーズン前半戦のF1は、復活を遂げたフェラーリと、ダブルタイトル獲得を狙うレッドブルの激しい争いとなった。開幕戦を制したのはフェラーリだが、その後はトラブルやミスで失速。一方のレッドブルはトラブルに見舞われながらも、チーム力を活かしてドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で、ライバルに大量リードを築いてサマーブレイクを迎えている。そんなF1に欠かせない無線のなかから、autosport webでもおなじみのF1ジャーナリスト、柴田久仁夫氏が印象に残ったやり取りを選出した。


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●第5位:周冠宇「あとでパンツ履き替えないと」(F1第7戦モナコGP 決勝)


周:トライしたんだけどね。あとでパンツ履き替えないと


 モナコGP決勝レース49周目、トンネル出口からのシケインブレーキングで角田裕毅(アルファタウリ)を抜こうとした周冠宇(アルファロメオ)。派手に挙動を乱し、マシンはほとんど横を向いてしまうが、かろうじて立て直した。


 ちびりそうなくらい焦りまくったのだろう。それでもあの状況で、こんなジョークを言える周は、なかなか大物かもしれない。

周冠宇(アルファロメオ)
2022年F1第7戦モナコGP 周冠宇(アルファロメオ)

●第4位:カルロス・サインツ「フェラーリで、しかもシルバーストンで初優勝できるなんて」(第10戦イギリスGP 決勝)


アダミ:ハミルトンが30秒5で最速だった
サインツ:わお。でも、どうでもいいよ(笑)
アダミ:こんなレースをしてくれて、本当にありがとう
サインツ:感謝は、僕の方だ。フェラーリで、そしてシルバーストンでF1初優勝ができるなんて、なんて言ったらいいのかわからない


ルクレール:僕らはレースを失った。ああ、なんてことだ。唯一ポジティブな点は、カルロスが勝ったことだ。この勝利を、祝おうじゃないか


 イギリスGP決勝レースチェッカー後、カルロス・サインツ(フェラーリ)陣営は歓喜に沸いた。サインツはフォーミュラBMW選手権に参戦していた2010年、同じシルバーストンで今回と同じポール・トゥ・ウィンを果たしている。F1デビュー150戦目の初勝利の直後、その記憶が去来したのだろう。


 対照的にシャルル・ルクレールは、一時は首位を走りながら、4位に終わった。不可解な戦略を指示したチームへの不満を、必死に押し殺しているようだった。

カルロス・サインツ(フェラーリ)
2022年F1第10戦イギリスGP カルロス・サインツ(フェラーリ)

●第3位:セルジオ・ペレス「ハックション!」(F1第13戦ハンガリーGP フリー走行1回目)


ペレス:ハックション!
バード:ブレス・ユー
ペレス:ハックション! ここ、アレルギーがあるみたい


 ハンガリーGP初日FP1のセッション中、いきなりペレスがくしゃみを始めた。F1ドライバーも人間だから、走行中にくしゃみをすることもあるだろう。しかし無線でくしゃみを聞くのは、初めての経験だった。どうしてわざわざ無線ボタンを押しながら、くしゃみをしてしまったのだろう? しかも2回も。ちなみに担当エンジニア、ヒュー・バードの「ブレス・ユー(Bless You あるいはGod Bless You)」は、直訳すると「神のご加護を(お大事に)」という意味で、誰かがくしゃみをしたときに英語圏ではこう答えます。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第13戦ハンガリーGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

●第2位:マルコス・パドロス「ボックス、いやステイアウトだ!」(F1第7戦モナコGP 決勝)


パドロス:ボックス、ボックス、ハードに履き替える
パドロス:いや、ステイアウト、ステイ、ステイ! ステイアウトだ!
ルクレール:XXXX!XXXX! なぜだ!? どういうことだっ! 何やってるんだ!


 今季のフェラーリのドタバタを象徴する無線交信。シャルル・ルクレール(フェラーリ)は地元モナコでポールポジションを獲得し、レースも首位を快走していた。しかしあまりに保守的すぎるタイヤ交換作戦で、首位の座を失う(ちなみにカルロス・サインツはこの指示に反抗したおかげで2位表彰台を獲得した)。


 さらにスリックタイヤへの交換の際、2台一緒にピットに呼び戻し、担当エンジニアのマルコス・パドロスが慌てて「ステイアウト!」と言い直したが、時すでに遅し。ルクレールはサインツの作業の間しばらく待たされ、4位に終わった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第7戦モナコGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

●第1位:ランド・ノリス「ハッピーバースディ・トゥ・ウィルのママ〜♪」(F1第4戦エミリア・ロマーニャGP 決勝)


ジョゼフ:ランド、今日は母の誕生日でね。きみが表彰台に上がったら、ケーキを作るって彼女は言ってたんだ。つまり、(表彰台と誕生日の)二重のお祝いってことさ。
ノリス:ハッピーバースディ・トゥ・ウィルのママ〜♪ ところでママの名前は何なの?
ジョゼフ:シャーロットだ。きみの大好きなクリスマスケーキを作ってあげるってさ
ノリス:ハッピーバースディ・トゥ・シャーロット♪ この表彰台は、あなたに捧げるよ!
ジョゼフ:ありがとう。最高だ!


 ノリスが今季初の表彰台をとなる3位を獲得したのは、第4戦エミリア・ロマーニャGPだった。チェッカー直後、担当エンジニアのウィル・ジョゼフが「今日は母の誕生日なんだ」と伝えると、ノリスはハッピーバースディを歌い出した。


 ノリスのユーモア感覚、人柄の良さ、そして何よりドライバーと担当エンジニアの強い絆が窺える、最高の無線交信だった。

2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP ランド・ノリス(マクラーレン)が3位表彰台を獲得
2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャGP ランド・ノリス(マクラーレン)が3位表彰台を獲得



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




レース

9/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
10/1(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
10/2(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※シンガポールGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン341
2位シャルル・ルクレール237
3位セルジオ・ペレス235
4位ジョージ・ラッセル203
5位カルロス・サインツ202
6位ルイス・ハミルトン170
7位ランド・ノリス100
8位エステバン・オコン66
9位フェルナンド・アロンソ59
10位バルテリ・ボッタス46

チームランキング

※シンガポールGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング576
2位スクーデリア・フェラーリ439
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム373
4位マクラーレンF1チーム129
5位BWTアルピーヌF1チーム125
6位アルファロメオF1チーム・オーレン52
7位アストンマーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チーム37
8位ハースF1チーム34
9位スクーデリア・アルファタウリ34
10位ウイリアムズ・レーシング6

レースカレンダー

2022年F1カレンダー
第17戦シンガポールGP 10/2
第18戦日本GP 10/9
第19戦アメリカGP 10/23
第20戦メキシコGP 10/30
第21戦ブラジルGP 11/13
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