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数字で見る2022年F1技術レギュレーション(1)ホイールベース規制で短くなるメルセデス

2022年2月14日

 2022年にF1技術レギュレーションが一新され、マシンの外観が大きく変わること、その目的はオーバーテイクの促進であることは「2022年F1技術レギュレーションを画像で解説」(全3回)で解説した。今回の特集では、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、それ以外の部分の規定変更に関して、数値を交えてまとめた。


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■すべてが別物。一から作り直された新F1マシン

 2022年の技術規制は空力革命であることは言うまでもないが、それ以外にも様々な施策が含まれており、主にコスト削減のための足回り技術の簡素化・標準化を意図している。


 メルセデスのチーフテクニカルオフィサー、ジェームズ・アリソンは「約30年間F1で仕事をしてきた中で最大の規約変更」だと語る。「仕様書は2倍の厚さで、クルマを一から作り直さなければならなかった。まったく新しい哲学、まったく異なる空力パッケージ、ブレーキもホイールもタイヤも全然別物だ。規制の影響が最も少ない部品の一つであるエンジンも、(4年間)凍結できるように準備しなければならない」

■ホイールベースと重量

 F1マシンのホイールベースは初めて3.6m以内に収まり、先代F1マシンのなかで最長のメルセデスより10cmほど短くなる。重量は752kgから795kg(ドライバーを含む)と、大幅に増加した。この43kgの増加は、主にホイールとタイヤが大きく重くなったことによる。

2021年F1第19戦ブラジルGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第19戦ブラジルGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 モノコック前面と側面に乱流防止パネルを追加し、リヤウイングとリヤ衝撃吸収構造に保持ケーブルを取り付け、多くの部品が標準化された。さらに高価な素材の使用を抑制するために、エンジン重量も5kg増加している。

■ホイール、タイヤ、ブレーキ、サスペンション

 外見で最も大きな変化は、ホイール径が13インチから18インチに変更されたことだ。この大型ホイールは、BBSから全チームに供給される。また、ナット、ハブ、ホイールリテンションシステムも、1つのデザインに統一された。ずっと待ち望まれてきたタイヤ圧センサーも標準装備され、チームのタイヤの使い方をより細かくモニターすることができるようになった。去年のアゼルバイジャンGPでマックス・フェルスタッペンがタイヤをブローさせたような事故が、今後は起きにくくなるということだ。



2021年F1アブダビGP 2021年の13インチF1タイヤと2022年に導入される18インチF1タイヤ

 ピレリによれば、今季は熱劣化がより限定的でデグラデーションの小さい、より広い動作域を持つタイヤが登場するという。気温の影響を受けにくく、より長くプッシュし続けられるタイヤであり、かつ一定の性能低下を抑え、各チームの戦略性を維持するタイヤということだ。


 18インチ化によって、大径ブレーキディスクの採用が可能になった。車重が増す分、車体は止まりにくくなり、必要なディスク容量は増える。これまでフロントとリヤの最大径は278mmに統一されていたが、今後フロントは325mm〜330mm、リヤはより小径の275mm〜280mm(制動力の一部をMGU-Kが担うため)という2つの規格に分かれる。


 廃止が検討されたタイヤウォーマーは、最終的に残されることになった。ただし90℃ではなく70℃までしか加熱できない。リムには固定式で開口部が少なく、乱流を抑えることができる標準的なホイールカバーが装着される。そのため、エンジニアはタイヤの温め方について、これまでとは異なる方法を学ばなければならない。


 サスペンションも簡素化された。メルセデスなど一部のチームが使用していた、アンチダイブダンパーの油圧システムは禁止された。タイヤの振動による跳ね返りを吸収するイナーシャダンパーも同様だ。その結果、空力性能の安定的な発揮に欠くことのできない車高管理がかなり複雑になることが予想される。


 またフロントサスペンションのプッシュロッドは、アップライトに取り付けなければならなくなった。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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