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2022年F1技術レギュレーションを画像で解説(3)ビームウイング復活など、リヤにも大きな変化

2022年2月9日

 FIA(国際自動車連盟)が総力を結集して研究・実験を続けた2022年の技術レギュレーションは、F1マシンの様相を一変させた。彼らの第一の目的は、オーバーテイクの促進だった。F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが、変更点がより理解しやすいよう、豊富な写真と図解で解説する。

■リヤウイングがばっさり削られた

 マシンリヤの変化も大きい。ウイングはより広く、より高くなった。メインプレーンとDRSで作動する可動式フラップの2つの要素で構成されている点はこれまでと同様だ(DRSは、昨年7月のFOM発表時点にはなかったが、今年も導入される)。一方で翼端板上部は、ばっさりなくなっている(黄色矢印参照)。


2021年F1と2022年F1のリヤウイング比較
2021年F1と2022年F1のリヤウイング比較

 これは、リヤウイングが発生する渦をできるだけ高い位置に向け、後続車への影響を少なくするためだ。2014年に姿を消したビームウイングが、ディフューザーから出る汚れた空気を吸い上げるという使命を帯びて復活しているのも同じ理由だ。


 いっそのこと、前後ウイングを完全になくしてしまえばと思うかもしれない。しかしパット・シモンズらは、そうすべきでないことを実験で証明した。


「かつてのグラウンドエフェクトカーは、先行車への接近が簡単にできたと思われがちだ。しかしその思い込みは間違っている。私たちが行った実験では、クルマの後ろに発生する汚れた空気を取り込み、吸い上げ、後続車の上方に投げ返すためにリヤウイングが不可欠であることがわかった。そしてリヤがダウンフォースを発生するのなら、バランスの関係でフロントにも何かを付ける必要がある」


 排気口とウェストゲートの出口も、以前はいくつかの管に分かれていたのが(レッドブル・ホンダでは2本、メルセデスやフェラーリでは3本)、一体型でなければならなくなった。ディフューザー自体は、背が高く、長く、しかし幅は狭くなっている(青と黄色矢印参照)。


2021年F1と2022年F1のリヤ部比較
2021年F1と2022年F1のリヤ部比較

■規約変更が思わぬ結果を招く?

 新規約では、後方のクルマが1車身ほど離れている場合、ダウンフォースを86%保持することになる。これが前世代のF1マシンでは、55%しか保持できなかったという。

ハースの2022年型マシン『VF-22』のカラーリング
ハースの2022年型マシン『VF-22』のカラーリング

 しかし乱気流を抑えることを目的としたこの規格は、F1マシンの空力特性を簡略化することになり、思わぬ結果を招くことになる。今回のFIA規約生みの親であるニコラス・トンバジスによれば、2022年のF1マシンはおそらく少し遅くなり、なによりも運転がトリッキーになるとのことだ。かつてはコーナーで一定のダウンフォースを発生させていた付属物も、新世代のクルマではほぼ使えない。


「運転は少し難しくなるだろう。以前はフロントウイングとバージボードで一連の渦を発生させ、コーナーでかなり安定した荷重をかけることができた。しかし2022年マシンは、予測不能の挙動を示す可能性がある」とトンバジス。


「技術規約が大きく変わると、チーム間の格差はいっそう大きくなるものだ。2009年にはブラウンGPがダブルディフューザーで大躍進した。しかし今の規約は非常に緻密で、抜け穴を見つけることは難しいのではないか。一方で2014年のフェラーリ、あるいは2009年のマクラーレンやフェラーリのように、規約解釈を間違えて大きく躓くチームも出てくるだろうね」



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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