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取材には積極的に協力。新型コロナ医療支援の最前線でも奮闘するピレリの現場責任者/F1レース関係者紹介(9)

2020年6月19日

 F1には、シリーズを運営するオーガナイザーを始め、チーム代表、エンジニア、メカニック、デザイナー、そしてドライバーと、膨大な数のスタッフが携わっている。この企画では、そのなかからドライバー以外の役職に就くスタッフを取り上げていく。


 第9回目となる今回取り上げるのは、ピレリのヘッド・オブ・カーレーシングを務めるマリオ・イゾラ。ピレリのF1活動において現場責任者を務めるイゾラだが、今年に入ってからは新型コロナウイルスの医療支援活動をしているというニュースを耳にした方もいるだろう。そんなイゾラを改めてご紹介する。


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 私たち日本人のメディアにとって、タイヤメーカーは感覚的に身近な存在だ。それは長年、日本のタイヤメーカーのブリヂストンがF1に参戦し、多くのスタッフと取材を通してコミュニケーションを図ってきたからだ。


 そのブリヂストンが2010年限りでF1から撤退し、新たにタイヤ供給会社として参戦してきたのがピレリだった。1991年以来、20年ぶりにF1に復帰した当初、モータースポーツディレクターとしてピレリを主導してきたのがポール・ヘンベリーだった。


 ブリヂストンのスタッフを通して、さまざまな技術的な情報を手にしていた日本人のメディアにとって、ヘンベリーの囲み取材はやや物足りなさを感じていたが、そのヘンベリーは2017年の春にピレリLatAm(ラテンアメリカ事業部)のエグゼクティブプレジデントに就任。代わって、ピレリのF1活動を牽引することとなったのが、現在ヘッド・オブ・カーレーシングを務めるマリオ・イゾラだ。

F1レース関係者紹介
左がヘンベリーで、右がイゾラ(2017年開幕戦オーストラリアGP)


 イゾラは1996年からピレリに在籍し、テストドライバー、研究開発部門などを経て、ピレリのレース活動に携わっているベテラン。ピレリが2011年にF1に復帰した際から、レーシングマネージャーとしてヘンベリーを支え、かつGP2などのサポートレースではピレリの責任者としてタイヤを管理してきたエンジニアだ。そのため、ヘンベリーが現場でトップにいたときでも、タイヤのことで技術的にわからないことがあれば、筆者に限らず、多くのメディアがイゾラをつかまえて立ち話をしてきたものだ。


 そのイゾラがヘンベリーに代わってピレリのF1活動の現場トップになったおかげで、囲み取材は非常に充実したものとなった。それでも、グランプリの週末には原稿を書く上で疑問が湧いてくることは多々あり、そんなときは囲み取材以外にもイゾラをつかまえて立ち話をする。そして、イゾラはどんなに忙しくても、必ずと言っていいほど応じてくる。しかも常に穏やかな表情で。

F1レース関係者紹介
囲み取材以外でも質問に応じるイゾラ

F1レース関係者紹介
囲み取材以外でも質問に応じるイゾラ


 ピレリに関しては、2013年にタイヤのバーストが多発。ドライバーからの不評を受けて2020年用タイヤの導入が見送られるなど、チーム関係者からたびたび不満の声があがり、そのたびにメディアはピレリ側の取材を行うためにイゾラを囲み、そのうえでピレリに批判的な記事を書いてきた。


 しかし、それはピレリタイヤの技術的な問題であって、イゾラに対するものではない。むしろ、時には批判されることを覚悟したうえで、取材に協力してくれるイゾラに感謝しているメディアは少なくないだろう。


 だからこそ、イゾラが地元であるミラノのローカルなボランティア組織『クローチェ・ビオーラ(CROCE VIOLA=紫十字)』で救急車の運転手として、新型コロナウイルス感染に苦しむ地元で医療支援活動を行っているという事実がわかったとき、多くのメディアがイゾラの奮闘を採り上げたものだった。


 しかし、当の本人は「私はヒーローでもなければ、特別なことをしているわけじゃない。普段は好きなレースを仕事にしているのだから、レースがないときにみんなに恩返しするのは当然のこと」と謙虚だ。


 そこがまた、イゾラらしい。


 もうすぐF1が開幕する。一部のメディアを除いて、しばらくはサーキットでの取材は禁止されているので、私たちがサーキットへ行ってイゾラと再会するのは、もう少し先のこととなる。パドックで会うと、いつも笑顔で「チャオ!」とイタリア語であいさつしてくるイゾラ。そのイゾラとパドックで立ち話できる日が訪れることを祈りたい。

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ピレリのヘッド・オブ・カーレーシングを務めるマリオ・イゾラ(写真は2016年モナコGP)



(Masahiro Owari)




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