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【アロンソ密着コラム】初戦5位入賞もトップとの差を冷静に分析「ノートラブルで走り切れたからこそ」

2018年4月1日

 2018年からホンダからルノーPUに切り替えたマクラーレン。バルセロナテストでは信頼性に不安を見せるも開幕戦では安定した速さでダブルポイントを獲得した。今季こそ上位復活を目指すフェルナンド・アロンソのグランプリウイークエンドに密着し、戦いの舞台裏を伝える。 


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 アルバートパークの木曜日。パドックでくつろぐホンダのスタッフたちのすぐ横を、フェルナンド・アロンソが通りかかった。彼らに気づいたアロンソは笑顔で近づいて行き、次々に握手をして廻った。田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクターによれば、「『ガンバッテ』と、日本語で激励されました」とのことだった。


 ふたりは去年、インディ500を共に闘って以来の再会だ。そして他のスタッフの多くは、去年までチームメイトだった面々である。ホンダとの3年間がアロンソにとって苦い記憶であるのは間違いないが、苦労を共にした現場スタッフに対しては少なくとも、いっさいのわだかまりはないように見えた。


 何より開幕戦のアロンソは、週末を通じて終始上機嫌だった。冬のバルセロナテストではトラブルが頻発したものの、ドライバー別タイムでフェラーリのふたりに次ぐ総合3番手に付けた。メルボルンでもその速さが、かなりの程度確認できた。懸念された信頼性の問題も、二日目以降はウソのように順調だった。


 予選ではQ3に進出できなかったが、アロンソの自信は揺るがなかった。


「僕らのレースペースは、予選一発よりはるかに速い。タイヤが自由に選べる11番手は、理想的なポジションだ」


 そしてレースはアロンソならではというべき、現状のマシン性能を100%引き出す技術と、臨機応変に状況を見極める走りで、5位でチェッカーを受けたのだった。



フェルナンド・アロンソ

 レース直後。ドライバーたちは『メディアペン』と呼ばれる囲いの中に入り、世界各国のTVクルーから矢継ぎ早の質問を受ける。初戦5位入賞のアロンソには、去年以上に多くのジャーナリストたちが群がった。アロンソは英語、スペイン語、イタリア語を駆使して、饒舌にインタビューをこなしていった。


「ほぼ予想した速さを発揮できた。2、3カ月という短期間で、大急ぎで違うパワーユニットに入れ替えた割には、満足すべきパフォーマンスが出せた。スタートとしては、5位には満足してるよ」


「この結果には、誇りを持ってる。この冬、チームは本当にいい仕事をしてくれた」


 各国ジャーナリストたちの質問はほとんど似通ったものだが、さすがに長年にわたってインタビューを受け続けたアロンソは、その都度できるだけ違う答え方をする。その中で共通していたのは、「直接のライバルはレッドブルだ」というコメントだった。


 ただしチーム広報が送ってくれた音声データを改めて聴き直すと、そのニュアンスが微妙に変化しているのがわかる。



フェルナンド・アロンソ、カルロス・サインツJr.

 最初は、「次のバーレーンにはもっと新しいものが投入されるはずだし、ターゲットはレッドブルだ」と断言していた。それが質問に答え続けるうちに、「レッドブルを含めたトップ3の実力は、中団以下とは明らかに差がある。現時点では、まだわれわれの上にいる」と、ちょっと軌道修正。


 とはいえ、「今後数戦で着実に戦闘力を増して、追い付けると思ってる。そうできない理由は、ちょっと思いつかない」と、自信たっぷりの発言は変わらなかった。


 しかし囲み取材の終盤には、こう答えるようになっていた。
「今日のレースは、ハースの2台がリタイアした幸運にも助けられた。カルロス(サインツ)も苦しんでたし、逆に僕らは抜群のタイミングで出たセーフティカーをうまく利用できた。そう考えると、4つか5つのポジションを、もらったことになる、。もちろん僕らがノーミス、ノートラブルで走り切れたからこその結果だし、完璧な仕事だったけどね」


 マクラーレン応援団とも言うべきイギリス人ジャーナリストたちが、マクラーレンがいかに見事な復活を遂げたか、アロンソに答えさせようと躍起になっている中でも、本人は冷静に現状を見極めているのである。今季の自分に与えられた武器でできることとできないことが、アロンソにはすでにはっきりと見えているようだ。



(取材・文 柴田久仁夫 Kunio Shibata)




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