次世代F1パワーユニットの基本フォーマットが発表に。高回転のエンジンでサウンド向上、MGU-Hは撤廃
2017年11月1日
FIAとフォーミュラワンは、10月31日、F1マニュファクチャラーに対し、2021年以降の新たなパワーユニットのロードマップおよび主要な機構について示した。
この日、FIA会長ジャン・トッド、F1商業権保有者、現在のF1マニュファクチャラーおよび将来参戦する可能性のあるメーカーの代表者がパリで開催された会合に集まり、2021年のパワーユニットレギュレーションについて協議した。
2021年からエンジンレギュレーションが大幅に変更されるため、その方向性を定めるべく、これまで何度か会合が行われており、FIAはコストを削減すること、市販車との関連性を維持するためハイブリッド技術を残すこと、マシンのサウンドを向上することといったポイントを提示していた。火曜の会合では、FIAはマニュファクチャラー側に対し、より具体的な項目と今後のスケジュールを示した。
FIAとF1はチーム、パワーユニットサプライヤー、外部のエキスパートから得たデータや情報を基に今回の提案を作成したという。2021年パワーユニットの詳細については2017年の終わりにFIAから発表される予定だ。
コスト削減という目的を果たすため、今後の12カ月をかけて、パワーユニットのエレメントを明確にするための作業が行われるが、2018年末にすべての情報が発表されるまではパワーユニット全体の設計・開発を行うことはできない。これはマニュファクチャラーに現行のパワーユニットに関する作業を継続させるためであるという。
今回の提案では、1.6リッターV6ターボハイブリッドエンジンを維持しつつ、今のパワーユニットの音に不満を持つファンの声に応え、サウンドを向上させるために最高回転数を3000rpm引き上げるといわれている。これまでツインターボが導入されるとうわさされていたが、今回の提案ではシングルターボとなっている。また、MGU-Hは撤廃、MGU-Kが強化され、ドライバーがエネルギーデプロイメントを制御できるようになる。
2017年と2018年の間に、FIAとF1はパワーユニットのテストと開発の制限、他のコスト抑制策を確立するために、チームと協力し合って取り組んでいく。
FIAとF1により提案され、マニュファクチャラー代表に対して提示された、2021年パワーユニットの新たな主要な特徴は以下のとおり。
・1.6リッター、V6ターボハイブリッド
・サウンドを改善するため、エンジンの回転速度域を3000rpm引き上げる
・開発コストを制限し、極端なデザインと走行状態を阻止するための、規範的な内部デザインパラメーター
・MGU-Hの廃止
・レースでのドライバーによるマニュアルデプロイメントにフォーカスしたよりパワフルなMGU-K。制御されたレースの戦術的要素をドライバーに与えるため、数周に渡ってエネルギーをセーブするという選択肢を含む
・サイズと重量を制限したシングルターボ
・標準エナジーストアと標準コントロールエレクトロニクス
・“プラグ・アンド・プレイ”のエンジン/シャシー/トランスミッションの交換機能を備えるための、高水準の規範的外部デザイン
・燃料レギュレーションをより厳格化し、燃料の使用数を制限するための調査を行う意向
(AUTOSPORTweb)
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