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2016年F1トップ10ドライバー(2)アロンソが才能に見合うマシンで走っていれば…

2016年12月19日

 英AUTOSPORTが、2016年F1のトップ10ドライバーを選出した。21戦の全セッションの結果と、ドライバー、チームの主要メンバー、専門家への取材を通してジャーナリストたちが得た情報をもとに、綿密に観察、分析した結果、選ばれた10人は……? 今回はパート2として6位から4位を紹介する。

■6位 カルロス・サインツJr.

フェルスタッペン離脱が転機に。“ヒーロー”アロンソを思わせる粘り強さを身につけた
(トロロッソ 最高位6位 ランキング12位)


 マックス・フェルスタッペンの華々しい活躍に気をとられてサインツのパフォーマンスを見逃してはならない。彼は2016年シーズン後半、実に素晴らしい走りをしていた。

カルロス・サインツJr.
カルロス・サインツJr.


 2016年のトロロッソ・フェラーリは前年のルノー搭載型よりも信頼性が高く、そのおかげでサインツは実力をうまく発揮することができた。第5戦でフェルスタッペンがレッドブルに昇格していった後もアプローチは変わらなかったとサインツは言う。だがチームは、フェルスタッペンがいなくなったことでサインツは本来の力を発揮できるようになったと考えている。


 彼はフェルスタッペンが去った最初のレース、スペインGPで2台のフェラーリと戦い、シーズン自己ベストの6位を獲得した。シーズン終盤、STR11の空力面の改善が進まず、1年落ちのパワーユニットは全く開発がなされなかったため、マシンはライバルと戦う力を失っていったが、そんななかでも6位を2回獲得している。


 サインツは不利な状況で戦うことでドライバーとして成長できたと考えている。バトルにおいて時折アグレッシブすぎた場面もあったが、彼のヒーロー、フェルナンド・アロンソを思わせるような粘り強さも見せた。


 さらにQ3に9度進出し、予選の能力が高いことも改めて示した。レッドブルはライバルからの引き抜きを防ぐため、6月の時点で契約を更新した。そのことからもサインツは優良株として実力にふさわしい評価がなされていることが分かる。

■5位 フェルナンド・アロンソ

マシンの能力不足に足を引っ張られながら、見事に戦った
(マクラーレン・ホンダ 最高位5位 ランキング10位)


 アロンソは2015年には自分はあまりいい走りをすることはできなかったと述べていた。マクラーレン・ホンダのパフォーマンスと信頼性があまりにもひどかったため、ドライバーとして最高レベルのパフォーマンスを発揮するモチベーションをなかなか見つけられなかったのだ。しかしアロンソは不完全な状態であっても、余裕でベスト10ドライバーに選出されるだけの働きをした。


 2016年はマシンが改善したため、それによってアロンソのパフォーマンスもさらに改善し、20戦のなかで予選Q3に8回進出した。予選ではチームメイトのバトンに圧勝し(2015年は僅差だった)、バトンの倍以上のポイントを稼ぎ、ドライバーズ選手権で10位を獲得した。ワールドチャンピオンであるバトンを相手に圧倒的に優勢だったのだ。

フェルナンド・アロンソ
フェルナンド・アロンソ


 モナコでは難しいコンディションのなか、マシンもうまく機能しない状況で、5位という素晴らしい結果を出した。ベルギーとマレーシアでは最後方から追い上げてトップ7に入っている。


 何度か(ドイツとモンツァ)、マクラーレン・ホンダへの不満を表に出してしまう場面もあったが、公正を期して言うならば、今のマシンとエンジンのパッケージで走ることは、現役ドライバーの中で最も優れたドライバーのひとりにとっては才能の無駄づかいと言うほかない。


 今のF1は速くなく、重要なのはタイヤをセーブすることだと、現レギュレーションへの不満を公言してはばからないアロンソだが、2017年の規則変更でF1は彼が喜ぶ方向に変わるだろう。


 マクラーレン・ホンダが彼の能力にふさわしいマシンを作りさえすれば、アロンソは35歳の今もなお、トップクラスのドライバーたちと余裕で戦える力を持っているはずだ。

■4位 ニコ・ロズベルグ

純粋なパフォーマンスの面で圧勝とはいえないが、敬服すべき点が多い新王者
(メルセデス 優勝9回 ランキング1位)


 ロズベルグはついにF1タイトルを獲得し、人生における最大の野望をかなえた。ルイス・ハミルトンに敗れ続けながら、固い決意を示し続けたドライバーにとっては、これほど大きな成果はない。しかしロズベルグはハミルトンよりも絶対的に優れたパフォーマンスを見せてタイトルを勝ち取ったわけではないと、認める必要がある。

ニコ・ロズベルグ
ニコ・ロズベルグ


 全体的にみると彼はハミルトンより遅く、予選対決では12対9で敗れている。ハミルトンがきちんと予選を戦えなかったレースを除外すると12対6だ。勝利数でもロズベルグの方が少ない。それでも彼はハミルトンより5ポイント余計に稼いだ。そして、結局のところ本当に重要な記録はそこだけなのだ。


 ハミルトンにトラブルが相次いだことが、ロズベルグにとって大きな助けになった。だた同時に彼自身の努力が自分の助けになったというのも事実だ。彼はバトルでこれまでよりアグレッシブになり、開幕戦オーストラリアではハミルトンを押しのけて優勝を飾った。ロシア予選ではハミルトンにメカニカルトラブルが発生する以前から、ロズベルグの方が速かった。


 スタート規則が変わってから、ロズベルグの方がハミルトンよりもいい蹴り出しを見せたことが多かった。オーストラリア、バーレーン、イタリアでは、予選では敗北しながら、スタートで挽回し、勝利を手に入れたのだ。


 今年のロズベルグは非常にいい走りをした。ハミルトンがベストでないときにはいつも、その状況をフルに活用した。バクーとシンガポールで重要な時にロズベルグの方が速かったし、日本ではポール・トゥ・ウインを成し遂げて、タイトルレースを手中に収め、大きなプレッシャーにも耐え抜いた。


 ロズベルグの一番の長所は挽回する能力にある。彼の自己認識をする強さ、自己改善のための探求、勝ちたいという純粋な意志は、人にたくさんのことを教えてくれる。彼は自分が成し遂げたことを誇りに思いながらF1から退くことができる。


※ランキングの続きは後日紹介いたします。



(AUTOSPORTweb)

この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています




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8位フェルナンド・アロンソ33
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