【F1イタリアGPの焦点】ティフォシの興奮とメルセデスの攻撃の狭間で、未知の自分と対峙していたルクレール
2019年9月10日
スタートではメルセデスの2台を抑えることに成功し、首位を守って第1スティントを走り始めた。しかしハミルトンを引き離すことは難しく、スリップストリームを与えながらDRS圏外に保つのが精一杯。ただし見方を変えると、ルクレールが絶妙のペースコントロールをしていた、と考えることもできる。
頼みのベッテルは6周目のアスカリでスピンを喫し、後方に沈んでしまっていた。メルセデスの1台がアンダーカットに挑めば、ルクレールは次の周回に必ずカバーしなくてはならない。彼らのアンダーカットを成功させないためには、インラップでペースを上げる余力を残しておくことが必須だ。ピットインのタイミングを決めるのはメルセデスなのだから。
第1スティントのルクレールは、一貫して1分24秒後半〜1分25秒のペースを守り続けた。ハミルトンを真後ろに引きつけることによって、彼のタイヤを性能低下させることにも成功した。「リヤが落ちてきた」と先に訴えたのはハミルトン。19周目にメルセデスがピットインするとフェラーリも次の周回でタイヤ交換に入ったが、インラップのタイムはルクレールの方が0.6秒速かった。ピットイン前の1秒の間隔と、インラップの速さと、スムーズなタイヤ交換で得た0.3秒。ポジションを守るには十分だった。
ただし課題は、すでにウォームアップを終えたミディアムで攻撃してくるハミルトンを、履き替えたばかりのハードで抑えること。アウトラップのペースはフェラーリの方が1秒遅く、ハミルトンはすぐにフェラーリのDRS圏内に入ってきた。幸いだったのは、ステイアウトしていたルノーのニコ・ヒュルケンベルグが2台の目の前を走行していたこと──。22周目のパラボリカでルクレールはルノーのイン側から前に出たが、手前のDRS検知ポイントでルノーが前にいたことによってDRSの権利を得ていた。2台のスリップストリームを活かして迫ってくるハミルトンを相手に、ルクレールもDRSを開いて身を守ることができた──。
しかしその後もハミルトンの攻撃が弱まることはない。直後のロッジア入り口ではフェラーリの右側にメルセデスが並び、対するルクレールは「ぎりぎり1車幅分を残して」ハミルトンを右に追いやっていく。
「もちろん、ルイスが右側にいることは知っていた。彼はほんの少し早くブレーキングしたけれど、それはおそらく、アウト側に並んでシケインに入りたくなかったからだと思う。映像は確認していないけれど、僕は1台分の幅を残していたはずだよ」
縁石を含めて“1台分”のスペースはハミルトンには厳しく、メルセデスは接触を避けるためシケインのエスケープゾーンを通ることを選んだ。
「押し出された」と無線で伝えるハミルトン。ブラック&ホワイトのフラッグで警告を受けるルクレール。しかし2台の戦いは激しさを保ったまま、その後も続いた。
「ハードタイヤを管理するのはすごく難しかった。最初の3〜4周は良かったけれど、その後は4輪の性能が揃って低下した。最初はフロントがロック気味になるのに苦労し、終盤は特に左リヤのグリップを失っていた。でも、最悪の状態だったわけじゃないから、まだ多くの周回を走れる状態だったと思う」
ルクレールの攻撃的なディフェンスは、フェアとアンフェアの境界線──。見る人によって判断は異なってくる。しかしオーストリアGP以降“攻撃性の程度に関して考えを変えた”というのは、彼が何度も明言してきたこと。大切なのは、守る際も攻める際もより攻撃的なアプローチを取りながら、ルクレールがそれによって破綻していない点だ。
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※中国GP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
※中国GP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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