F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

【F1ドイツGPの焦点】天候変化に負けず、“攻め”のレースを貫き通したフェルスタッペンの確固たる意志

2019年7月30日

 34周目にレースが再開すると、主導権を握ったレッドブルは一気に加速、わずか7周で2番手ボッタスとの間隔を10秒近くまで広げた。インターミディエイトは長保ちしない。でも、ここでセーブせず、ベストラップを記録しながらどんどんペースを上げたことが勝利への道筋をさらに明確にした──。天候に翻弄され、あらゆる可能性に備えて“守る”のではなく、自ら攻めるレースをはっきりと意識し、対応策の幅を広げたのだ。

 何が起こるか分からないレース、十分なリードがあればその分だけ選択肢は多くなる。攻め慣れているレッドブルとフェルスタッペンの、判断が冴えた。そして40周目、ヒュルケンベルグのクラッシュによって出動した3度目のセーフティカーが、フェルスタッペンに3セット目のインターミディエイトを履くチャンスを与えた。ヒュルケンベルグの事故は見る者の心を痛めるものであったし、レッドブルとて期待していたわけではない。言えるのは、フェルスタッペンにはインターミディエイトをもう1セット使う意志があり、タイミング良くセーフティカーが出動すればピットインには迷いがなかったということだ。

 路面はまだダンプコンディション。40周目から45周目までのセーフティカー走行の間に、マシンとピットの間では多くの情報が行き来していた。天候変化に負けず、毅然と自らのレースを通そうとしたフェルスタッペンの意志は、こんなコメントにも表れていた。

「ドライに交換するドライバーがいたら、彼らから目を離さないで」

 雨雲が行き来したホッケンハイムも、40周目以降には徐々に雨足が弱まり、ドライに向かっていくことが予測された。フェルスタッペンに少しでも守りの気持ちがあったなら、ライバルと違って自分とベッテルだけがフレッシュなインターミディエイトを履いているという事実に寄りかかり、リスタートの後も首位を維持しようとしただろう。しかしリスタート直前にはランス・ストロールが、リスタートの瞬間にはダニール・クビアトがソフトに交換した──。トロロッソとレーシングポイントの英断が見事であったことは、最終スティントで彼らが走ったポジションが示している。

 フェルスタッペンも、1周を走行しただけでピットに飛び込んだ。首位の座をいったんは手放す作戦。その重要性をしっかり認識したピットクルーは1.88秒という記録的な速さでタイヤ交換を終えた。コースに戻ったフェルスタッペンはすぐにストロールをかわし、その間に他のドライバーたちがドライタイヤを履くためにピットイン──。即座に、首位の座を取り戻した。

 ドライコンディションでは、コンマ数秒を争ってピット作戦が繰り広げられる。しかしミックスウェザーでは、判断次第で1周5秒もの違いが出てくる。だから、ライバルの動きを見て判断するのではなく、自らの感覚と意志によって誰よりも早く“正解”を見つけ、行動に移すことが勝負の鍵だったのだ。読み辛い天候で、何度も何度も決断が求められたとしても──。

XPB Images

 竹を割ったようなフェルスタッペンの爽快なレース。苦労を重ねたベッテルの挽回と、ドイツのファンの声援。そんなレースをさらに味わい深いものにしたのが、クビアトの表彰台だ。

「ホラー映画にブラックジョークが添えられたようなレースだった。信じられない、ローラーコースターのようなレースだったね。ちょっと僕のキャリアにも似て」





レース

5/4(土) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
5/5(日) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
5/6(月) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※マイアミGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン136
2位セルジオ・ペレス103
3位シャルル・ルクレール98
4位ランド・ノリス83
5位カルロス・サインツ83
6位オスカー・ピアストリ41
7位ジョージ・ラッセル37
8位フェルナンド・アロンソ33
9位ルイス・ハミルトン27
10位角田裕毅14

チームランキング

※マイアミGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング239
2位スクーデリア・フェラーリ187
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム124
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム64
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム42
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム19
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム1
9位ウイリアムズ・レーシング0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
第10戦スペインGP 6/23
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.4 第4戦日本GP