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3年以上の在籍はふたりのみ。交代激しいF1チーム代表のラインアップを総ざらい/F1コラム

2025年4月18日

 ベテランモータースポーツジャーナリスト、ピーター・ナイガード氏が、F1で起こるさまざまな出来事、サーキットで目にしたエピソード等について、幅広い知見を反映させて記す連載コラム。今回は、近年入れ替わりが激しい各F1チーム代表のラインアップについてまとめた。

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 F1チームの成功は継続性に基づいている。ドライバー、エンジン、またはチーム代表が変わることは、チームに後退をもたらし、進展を遅らせる。特にチーム代表に関してはそれが顕著だ。


 同じボスが長年継続してリードしているのはメルセデスとレッドブルのみで、彼らが過去15回のワールドチャンピオンシップタイトルのうち14回を獲得した。クリスチャン・ホーナーは2005年にレッドブルが設立された時にボスの座に就任。トト・ウォルフは2013年にメルセデスを引き継いだ。


 残りの8チームはすべて過去3年以内にチーム代表が交代している。そして、新しいボスのうち5人は現在の職に就いてからまだ2年目以内だ。


 フェラーリでは、フレデリック・バスールが2023年シーズンからチームの指揮を執っている。バスールは以前、ルノー(2016年)およびその後ザウバー(2017〜2022年)を率いていた。バスールは、就任前の8年間に4回のチーム代表交代があったフェラーリに、ある程度の安定化をもたらすことに成功したようだ。現在のF1ボスであるステファノ・ドメニカリが2014年にフェラーリを去った後、マルコ・マティアッチが後任の代表を務めた。しかしマティアッチはわずか9カ月で去り、2015年から2018年にかけて、マールボロにいた経験を持つマウリツィオ・アリバベーネが就任、その後にはバスールの前任者マッティア・ビノットに交代した。

フレデリック・バスール代表(フェラーリ)
2025年F1第1戦オーストラリアGP フレデリック・バスール代表(フェラーリ)

 そのビノットは現在、ザウバーチームをチーフオペレーティングオフィサー(COO)兼チーフテクニカルオフィサー(CTO)として指揮しており、このチームは今シーズン終了後にアウディに変わる。ザウバー/アウディの経営陣には一連の交代があった。アウディが最初にザウバーを買収した際、彼らは元マクラーレンのチームプリンシパルであるアンドレアス・ザイドルをボスに任命したが、彼は昨年解雇され、ビノットが加入した。さらに、レッドブルに所属していたジョナサン・ウィートリーが、契約終了後の4月に、ザウバー/アウディのチーム代表に就任した。

2025年F1第3戦日本GP ザウバーの新チーム代表となるジョナサン・ウィートリー
2025年F1第3戦日本GP ザウバーの新チーム代表となるジョナサン・ウィートリー

 ザイドルが2023年シーズン前にマクラーレンを離れた際、後任にはアンドレア・ステラが起用された。それまでマクラーレンのレーシングディレクターを務めていたステラは、リーダーシップを発揮、マクラーレンの現在の成功に重要な役割を果たした。ステラの指導のもと、マクラーレンは昨年、1999年以来初めてワールドチャンピオンシップを制した。


 ジェームズ・ボウルズは、メルセデスでウォルフ代表の“副官”のような役割を長年務めたが、2023年シーズン前にウイリアムズのチーム代表に就任した。


 レーシングブルズの前身アルファタウリ代表フランツ・トストが引退した翌年の2024年、フェラーリでチーム副代表を務め、FIAで働いた経験もあるローレン・メキースが、チーム代表の座に就いた。


 ハースでは、小松礼雄が2024年にギュンター・シュタイナーからチーム代表の座を引き継いだ。小松はそれまでハースでリードレースエンジニアを務めていた。

小松礼雄(ハース代表)
2025年F1第3戦日本GP 小松礼雄(ハース代表)

 ルノー/アルピーヌは、まるでF1のタイヤ交換のような目まぐるしいペースでボスが交代し続けている。バスールが2016年に離脱した後、シリル・アビテブールが指揮権を握り、2021年にアルピーヌに名前を変更するまでの間、彼の時代が続いた。その後、スズキMotoGPチームのボスを務めたダビデ・ブリビオが引き継いだがわずか1年で離脱、オットマー・サフナウアーが後任となった。しかしサフナウアーは1年半でブルーノ・ファミンと交代。昨年8月には現代表オリバー・オークスが、わずか数年内で4人目のボスに座に就いた。


 そして今年は、アストンマーティンが、3年前からチームをリードしてきたマイク・クラックの代わりに、アンディ・コーウェルをチーム代表に起用した。

アンディ・コーウェル代表(アストンマーティン)
2024年F1第1戦オーストラリアGP アンディ・コーウェル代表(アストンマーティン)

 下記は現在の各チームの代表のリストだ。今後、ここにどのような変化が訪れるだろうか。


■F1チーム代表者リスト(2025年4月18日時点)
・レッドブル:クリスチャン・ホーナー(2005年〜)
・メルセデス:トト・ウォルフ(2013年〜)
・マクラーレン:アンドレア・ステラ(2023年〜)
・フェラーリ:フレデリック・バスール(2023年〜)
・ウイリアムズ:ジェームズ・ボウルズ(2023年〜)
・レーシングブルズ:ローレン・メキース(2024年〜)
・ハース:小松礼雄(2024年〜)
・ザウバー/アウディ:COOマッティア・ビノット(2024年〜)
 代表ジョナサン・ウィートリー(2025年〜)
・アルピーヌ:オリバー・オークス(2024年〜)
・アストンマーティン:アンディ・コーウェル(2025年〜)

ジェームズ・ボウルズ(ウイリアムズ代表)、ジョナサン・ウィートリー(ザウバー/アウディ代表)、アンドレア・ステラ(マクラーレン代表)
2025年F1バーレーンGP (左から)ジェームズ・ボウルズ(ウイリアムズ代表)、ジョナサン・ウィートリー(ザウバー/アウディ代表)、アンドレア・ステラ(マクラーレン代表)


(Text : Peter Nygaard)


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