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ショックな開幕戦から一転、ダブル入賞を喜ぶハース小松代表。一方で「まだ問題は解決していない」と冷静な姿勢も崩さず

2025年3月26日

 2025年のF1開幕戦オーストラリアGPでは残念な結果に終わったハースF1チームだが、続く上海での第2戦中国GPでは見事な復活を果たした。


 小松礼雄チーム代表は、絶望の週末を勝利の週末に変えて、ダブルトップ10フィニッシュを飾ったクルーの粘り強さとチームワークを称賛し、誇る気持ちを抑えきれないようだった。エステバン・オコンは7位でフィニッシュし、オリバー・ベアマンは17番手からスタートして10位まで這い上がった。この成果は、チームの気概と戦略面の創意工夫を物語っている。なお、レース後にフェラーリのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが失格となったため、両ドライバーの結果はそれぞれ5位と8位に繰り上がった。

「チーム全体の反応は素晴らしいものでした」と、小松代表は急速な状況の好転を振り返りながら『F1TV』に語った。


 オーストラリアとの対比は、これ以上ないほど鮮明だった。わずか1週間前、ハースは後方で低迷し、彼らのVF-25はグリッド上で一番遅いマシンであるように見え、ドライバーたちは他のチームの不運に乗じたものの13位と14位で苦戦した。しかし、中国でチームは救済策を見つけた。

エステバン・オコン(ハース)
2025年F1第1戦オーストラリアGP エステバン・オコン(ハース)

■大陸を超えた相乗効果

 オーストラリアの惨敗は、ハースにとって不意打ちだった。バーレーンでのプレシーズンテストでは、競争力のあるマシンであることを匂わせていたが、メルボルンの高い負荷のかかるコーナーで重大な空力的な欠陥が露呈し、制御不能なバウンシングが起きてパフォーマンスは低下した。


「オーストラリアは私たちにとってショックでした。バーレーンのテストからは予想していなかったことです。しかし、なんという素晴らしい反応でしょう」と小松代表は語った。


「イタリア、イギリス、アメリカ、そしてトラックサイドの全員が、数日間にわたり協力しました。正直に言って、あのショック以来、ここで結果を出すために取り組んできたやり方にはとても満足しています」


 エンジニア、メカニック、ストラテジストらが大陸を越えて集結し、VF-25の弱点を分析し、上海でその潜在能力を最大限に引き出す計画を考案した。その結果、まだ欠陥はあるものの、コースの要求に合わせてマシンは正確にドライブされた。

■失敗からどう立ち上がるか

 小松代表にとって、中国での結果は単なる得点以上の意味を持つものだった。それは気質を証明するものだった。


「誰にでも失敗はありますよね。しかし、失敗は自分を定義するものではありません。自分を定義するのは、その失敗からどう立ち上がるかということであり、チーム全体で私たちはそのことを示したと思います」


 オコンのレースは実行力のケーススタディだった。予選は11番手とQ3にわずか0.03秒およばなかったオコンは、スタートでアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)を追い越し、1ストップ戦略でアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)をアンダーカットした。一方、ベアマンはQ1敗退をチャンスに変えてハードタイヤでスタートし、ペースと持久力のバランスを取って7つ順位を上げた。

オリバー・ベアマン(ハース)&ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2025年F1第2戦中国GP ポジションを争うオリバー・ベアマン(ハース)&ピエール・ガスリー(アルピーヌ)

 しかし、小松代表は地に足をつけた姿勢を保っている。VF-25の空力上の問題は消えたわけではなく、上海のレイアウトによって隠されているにすぎない。


「問題を解決したと言って自分を欺いているわけではなありません。解決してはいないのです」


「そのため、私たちが行く特定のサーキットでは、まだ大きな問題を抱えることになるでしょう。でもコースの特性のおかげで、望むようにマシンを操作できます。これは、私たちにできることです。今日私たちは結果を出しました」

小松礼雄代表(ハース)
2025年F1第2戦中国GP ハースの小松礼雄代表とチームクルー


(Text : autosport web)


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