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【F1第1戦予選の要点】残酷なほどに明暗が別れたルーキー6人。ハジャーが見せた意外な輝き

2025年3月15日

 開幕時点でひとりも新人がいなかった1年前の開幕戦から一転、2025年は6人ものルーキー(レギュラー参戦1年目)が第1戦オーストラリアGPの予選に臨んだ。いずれもこれまでのキャリアでしっかり結果を残してきた、才能あふれる若者たちばかり。しかし彼らにとってF1での初めての予選は、残酷なほどに明暗が別れるものとなった。

 ハースからデビューしたオリバー・ベアマンは、暗黒の二日間だった。初日フリー走行1回目(FP1)でいきなり大クラッシュを喫し、ギヤボックス、パワーユニット(PU)交換を強いられFP2は1周も走れず。さらに二日目/土曜日のFP3でも、開始早々にコースアウト。グラベルにハマって、貴重な走行時間をフイにしてしまった。


 そして予選本番ではコースインしてすぐにギヤボックスの不調を訴え、緊急ピットイン。結局1回もアタックできないままDNS(Did Not Start)に終わった。


 2024年に代役としてフェラーリやハースで出場した際には、安定したレース運びで入賞を繰り返したベアマン。しかしレギュラードライバーとして臨んだ初戦では、以前に「19歳とは思えない成熟ぶり」とハースの小松礼雄チーム代表が絶賛していた走りはすっかり影を潜める展開となった。


 育成プログラムから2023年アルファタウリでの代役参戦、2024年シーズン途中のRB昇格を経て、今季待望のレッドブル昇格&初のレギュラーシート獲得を果たしたリアム・ローソンも、まさかのQ1敗退だった。すでに初日の2回のフリー走行から、16番手、17番手とペース不足に苦しんでいた。「挙動は快適なのに、遅い」という、かなり厄介な症状だった。


 そして予選直前のFP3は、PUトラブルで2周しか走れず。さらにいえば全20人のドライバー中、アルバート・パーク・サーキットを走ったことがないのは、ローソンだけだった。そのハンデキャップを埋められないまま予選に臨み、ミスを繰り返しての18番手に終わった。


 もうひとりのQ1落ちは、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ。これも意外な結果だったが、ターン6をはみ出した際にフロア下にダメージを負った影響が大きかったようだ。直前のFP3ではチームメイトのジョージ・ラッセルから0.2秒落ちの5番手につけていただけに、残念なトラブルだった。


 一方で新人のうち3人がQ2に進出を果たした。キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレートは、予選一発の速さに定評のあるチームメイト、ニコ・ヒュルケンベルグを抑えてのQ2進出だった。それ以上の速さを見せたのが、アルピーヌのジャック・ドゥーハン。11番手のチームメイト、ピエール・ガスリーを0.013秒凌ぐ10番手タイムを叩き出した。


 Q1ではドゥーハンから0.039秒落ちの12番手だったアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)は、Q2で輝きを見せた。Q2にてドゥーハン、ボルトレートのタイムが伸び悩み、それぞれ14番手、15番手に沈むなか、ハジャーはQ2最初のアタックで11番手、2回目のアタックも自己ベストを0.3秒近く縮めた。しかし11番手は変わらず。10番手ガスリーに0.063秒及ばず、初戦でのQ3進出はならなかった。


 とはいえ直前に行われたプレ・シーズンテストの段階では、ハジャーがここまでやれるとは正直思っていなかった。本人も「一発の速さが課題」とコメントしており、開幕戦も遅いか、とっ散らかってクラッシュするか、そのどちらかと思っていた。ところが終わってみれば、ルーキー6人中最速だった。レーシングブルズにとって、そして角田裕毅にとっても、かなり頼もしいチームメイトになってくれそうだ。

2025年F1第1戦オーストラリアGP オリバー・ベアマン(ハース)
リアム・ローソン/クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
2025年F1第1戦オーストラリアGP リアム・ローソンとクリスチャン・ホーナー代表(レッドブル)
2025年F1第1戦オーストラリアGP アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
2025年F1第1戦オーストラリアGP ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)
2025年F1第1戦オーストラリアGP ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)
アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
2025年F1第1戦オーストラリアGP アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)


(Text:Kunio Shibata)


レース

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