F速

  • 会員登録
  • ログイン

PU開発中止で1億ユーロの節約に。カスタマーエンジン使用を検討するルノー/アルピーヌのパートナー候補にホンダ

2024年7月12日

 現在F1ワークスチームとして車体とPU(パワーユニット)を製作しているルノー/アルピーヌだが、PU開発を諦めるのでは、という観測が絶えない。一方でFIA(国際自動車連盟)の定めたF1規約には、カスタマーチームが供給メーカーからPUを入手する際の最大価格が設定されている。これはアルピーヌにとって非常に魅力的な条件であり、年間予算の大幅な節約になる可能性がある。


 2026年のF1テクニカルレギュレーション(パワーユニット)において、『パワーユニット供給最大価格』の項目に、「指定されたPU供給範囲については、インデクセーション調整後、最大価格1700万ユーロ(約29億円)で供給されるものとする」と記されている。


 ルノーは、パリ郊外ビリー−シャティヨンのルノー・スポール工場でのパワーユニット生産を放棄し、他メーカーからの供給に切り替える計画を立てているといわれる。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2024年F1第10戦スペインGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)


 最近、かつてのベネトンやルノーで辣腕を振るったフラビオ・ブリアトーレが、ルノーCEOルカ・デメオのコンサルタントに任命された。ブリアトーレの使命は、F1活動の年間予算を大幅に圧縮しつつ、期待される競争力を発揮するという非常に難しいものだ。

フラビオ・ブリアトーレ&ルカ・デメオ
2024年F1第10戦スペインGP フラビオ・ブリアトーレ(アルピーヌ エグゼクティブアドバイザー)&ルカ・デメオ(ルノー CEO)


 そしてルノーによるF1パワーユニットの研究、開発、製造、運用にかかるコストは、工場の固定費を含めて年間1億2500万ユーロ(約215億円)に達するという。PU関連だけで、ルノーの財務を大きく圧迫している状況だ。


 もしこれをカスタマーPUに切り替えれば、年間1億ユーロ(約172億円)以上を節約できることになる。問題は、アルピーヌF1チームの主要株主がルノーグループであることだ。つまりチームとエンジンメーカーとの間には、議論の余地のない強いつながりが形成されている。自動車メーカーであるルノーの所有するF1チームに、他の自動車メーカーがPUを供給する。それが果たして、可能かということだ。


 それにもかかわらず、ブリアトーレとチーム代表ブルーノ・ファミンは、すでに市場調査を始めている。当初の最有力候補は、メルセデス製PUだった。現在メルセデスがPUを供給しているアストンマーティンは2026年からホンダと組むため、枠が一つ空く。供給能力的にも、全く問題はない。

ジョージ・ラッセル(メルセデス)
2024年F1第11戦オーストリアGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


 しかしそれはあくまで、メルセデス側がアルピーヌへの供給に前向きな場合に限る。すでにワークスとマクラーレン、ウイリアムズの3チームと契約を結んでいるメルセデスには、意思に反してアルピーヌに供給する義務はないのだ。


 もう1つの可能性は、ホンダである。現在、レッドブルとRBにパワーユニットを供給するレッドブル・パワートレインズへの技術支援を行っているホンダは、2026年に正式にF1活動を再開する。この年は、今のところ、アストンマーティンへの単独供給の予定であるため、もしアルピーヌの搭載PUが決まらない場合、FIAはレギュレーションに従ってホンダに対し、供給を要求することができる。

角田裕毅(RB VCARB 01)
角田裕毅のRB VCARB 01に飾られたHondaのロゴ


 ちなみにフェラーリはワークスチームに加えてハースと契約を結んでおり、フォードと提携するレッドブル・パワートレインズはレッドブルとRBに供給、アウディは新規参入ということでこの規定に縛られないため、FIAが義務を要求するのはホンダということになるだろう。


 もしホンダがアルピーヌに供給するということになれば、その後の手続きはかなり急ぐ必要がある。この種の技術提携には、膨大な時間とリソースが必要だからだ。2026年の新世代マシンに今までと全く異なるパワーユニットを組み込むのであれば、時間はいくらあっても足りない。


 ちなみにアルピーヌには依然として、たとえばアンドレッティなどへのチーム売却の噂も根強くある。そしてアルピーヌとルノーの間の関係が切れてしまえば、チームの転売は非常に容易になることも、是非とも覚えておこう。

アルピーヌA524
2024年F1第9戦カナダGP ピエール・ガスリー(アルピーヌA524)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
4/19(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
4/20(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※サウジアラビアGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ99
2位ランド・ノリス89
3位マックス・フェルスタッペン87
4位ジョージ・ラッセル73
5位シャルル・ルクレール47
6位アンドレア・キミ・アントネッリ38
7位ルイス・ハミルトン31
8位アレクサンダー・アルボン20
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※サウジアラビアGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム188
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム111
3位オラクル・レッドブル・レーシング89
4位スクーデリア・フェラーリHP78
5位ウイリアムズ・レーシング25
6位マネーグラム・ハースF1チーム20
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム8
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第5戦サウジアラビアGP 4/20
第6戦マイアミGP 5/4
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/18
第8戦モナコGP 5/25
第9戦スペインGP 6/1
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号