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英国人ライターのF1ルーキーペア観察日記:今季ベストリザルトも、僚友たちを怒らせたマゼピン
2021年6月15日
2021年F1にデビューしたミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンは、ともにハースF1チームで初めてのシーズンを送っている。ふたりはどのように学び、つまずき、成長していくのか。キャラクターの異なるふたりのルーキーのデビューシーズンを、英国人ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が観察していく。今回は第6戦アゼルバイジャンGP編だ。
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アゼルバイジャンの週末をハースはとても良い結果で締めくくることができた。だが、日曜日の最後の数百メートルで、一歩間違えれば恐ろしい事故につながりかねない出来事も起き、チーム代表は事の収拾に当たらなければならなかった。
ニキータ・マゼピンは、モナコではミック・シューマッハーのような大きなミスを犯すことなく、落ち着いてレースに取り組んでいたが、バクーでは少し以前の状態に戻ってしまったようだ。モナコで少し自信をつけたせいかもしれない。
マゼピンはFP1で限界まで攻めた結果、ターン16でスピンしてバリアにぶつかり、リヤウイングを壊してしまった。
FP1でのマゼピンには、マックス・フェルスタッペンをブロックして怒らせるという一件もあった。ハースのドライバーが他チームのドライバーの妨害をする問題が、今年何度も起きている。ドライバーがエンジニアの警告に従っているのかどうか、エンジニアが適切な警告を行っているのかどうかを含め、チーム内で話し合い、きちんと解決すべき時が来ているのではないか。
マゼピンは、予選前にターン15の出口で壁にぶつかるというインシデントを起こした。ここは土曜にフェルスタッペンもクラッシュするなど、何人ものドライバーが事故を起こしている場所だが、マゼピンは無事にガレージに戻ることができた。
一方のシューマッハーは比較的スムーズに週末を過ごし、予選でチームメイトよりいい成績を収めた。ハースにとって良かったのは、いくつかインシデントがあったにもかかわらず、マゼピンはシューマッハーから0.1秒以内の差で続いており、2台ともまずまずのパフォーマンスを見せていたことだろう。
日曜に期待をかけていたであろうハースだが、レース終盤に起きた出来事が彼らを失望させる結果となった。
■大事故を引き起こしたかもしれないマゼピンの動き。チームは問題解決と強調
序盤、マゼピンはターン4で直進してしまい、ランオフエリアから抜け出さなければならなかった。このミスはその後に大きく響いた。早い段階で周回遅れにされ、セーフティカー出動によって周回遅れを取り戻すことができたが、集団に追いつく前にレースが再開され、大きく遅れを取ることになったのだ。
シューマッハーは順調に走行していたものの、ハースのマシンはウイリアムズには全く太刀打ちできず、自分自身のレースに集中して走るしかない状況だった。しかし終盤に赤旗中断となり、残り数周に向けて改めてレースが行われることになり、そこで戦うチャンスが訪れた。
ターン1でルイス・ハミルトンが直進し、後退したため、ハースの2台がメルセデスに先行するという珍しい状況になった。ハースのふたりは残り2周、ハミルトンを抑えきるだけの速さを発揮してみせた。マゼピンはチームメイトを抜き去り、そのまま前の位置を守り切るかに思われた。しかしシューマッハーはスリップストリームを利用して完璧なタイミングで反撃に出た。
そこで危険な出来事が起きた。マゼピンはシューマッハーをブロックしようと、直線で極端に遅いタイミングでステアリングを切った。そのため、ふたりは時速200マイルで衝突しそうになったのだ。シューマッハの左フロントタイヤは、チームメイトの右リヤタイヤから数センチしか離れていなかった。もし接触していたら、あのスピードでは大事故になっていたかもしれない。
「今のは何なんだ! 正気か? あいつ、僕たちを殺す気かよ!」 シューマッハーは無線で憤り、マゼピンに向かって怒りを示す仕草をした。
レース直後、チーム関係者からは、マゼピンの行動を問題視している人々も多いと聞いたし、FIAレースディレクターのマイケル・マシも、この件について後日詳しく調査するという意向を示した。だが、チーム代表ギュンター・シュタイナーは、ドライバーふたりと話をし、この問題の収拾を図ったと主張している。
ジョージ・ラッセルがリタイアし、ニコラス・ラティフィがペナルティを受けたため、ハースの2台は13位と14位という、今季ここまでベストの成績を上げた。その結果、コンストラクターズ選手権において、ハースはウイリアムズを抜いて9位に浮上。いくつかの問題がありつつも、ハースは最終的にはポジティブな結果を得て、第6戦を終えることになった。
(Chris Medland)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |