レッドブル・ホンダ分析:明暗を分けた予選Q3最後のアタックで、3つのセクターをうまくまとめたフェルスタッペン
2020年12月13日
マックス・フェルスタッペンが2020年のF1最終戦アブダビGPで、今シーズン初、2019年の第20戦ブラジルGP以来、通算3度目のポールポジションを獲得した。
ポールポジションのフェルスタッペンがマークしたタイムは1分35秒246。2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)とは1000分の25秒差、3番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)とは1000分の86秒差という大接戦だった。
しかも、このタイムはQ3の1回目の自己ベストを更新していた。つまり、最後のアタックが明暗を分ける結果となった。
3人の最後のアタックをセクターごとに見ていこう。
【F1第17戦アブダビGP 予選Q3セクター別タイム】
フェルスタッペン:17.030秒*/40.750秒**/37.466秒*
ボッタス:17.050秒*/40.813秒/37.408秒**
ハミルトン:16.984秒**/40.757秒*/37.591秒
(*)は自己ベスト
(**)は全体ベスト
興味深いのは、3人が異なるセクターで速さを見せていることだ。つまり、フェルスタッペンがポールポジションを獲得したのは、メルセデスを上回るだけの突出した速さがあったというよりは、3つのセクターをうまくまとめた結果だった。
フェルスタッペンの最後のアタックをセクター別に見ると、セクター1からセクター3まで、すべての区間で自己ベストをマークしていた(さらにセクター2は全体ベスト)。
これに対して、ボッタスはセクター3で全体ベストをマークしているが、セクター2が40.813秒と自己ベストに届かなかった。また、逆転でのポールポジションを狙ったハミルトンはセクター1で16.984秒と全体ベストを叩き出し、セクター2でも40.757秒と自己ベストを更新したものの、最後のセクター3で37.591秒と自己ベストを更新できなかった。
セクター3はコーナーが連続した区間で、本来であれば、メルセデスが速い。そのセクター3でハミルトンはチームメートのボッタスより0.183秒遅かっただけでなく、フェルスタッペンにも遅れをとった。
その要因のひとつには、タイヤの使い方が関係していることは間違いないが、予選後にハミルトンが明かしたように「体調が完全ではなかった」ことも関係していたのだろう。
したがって、もしメルセデスのふたりが全セクターで自己ベストを更新していたら、ポールポジションはメルセデス勢のどちらかに渡っていたかもしれない。
今回のフェルスタッペンのポールポジションは、セクター2でメルセデスをしのいで獲得しているため、ポールポジションからスタートするフェルスタッペンにとっては戦いやすくなったことは間違いない。セクター2にはロングストレートが2本あり、オーバーテイクポイントがある。そこでメルセデス勢より速いマシンに仕上がっているということだ。
スタートを決めることができれば、今シーズン2勝目も見えてくる。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |