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大混乱の予選を制したのはハミルトン。バトンは殊勲の2列目スタート

2016年7月3日

 2016年F1第9戦オーストリアGPは、7月2日に予選が行われた。フリー走行3回目に続き、スタート時は気温27度、路面温度は52度と快晴のコンディション。Q1は完全ドライで争われたが、Q2終盤に降雨に見舞われた結果、Q3ではチェッカーが振られる瞬間までポールポジションの座が誰の手に渡るかわからない白熱した展開となった。 


 Q1は、まず順調にメルセデス2台がタイムを更新。セッション開始10分後にはニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトンがワンツーとなり、後方にフェラーリ、レッドブル、ウイリアムズ勢がひしめく序列となった。残り2分を切ったところで、トロロッソのダニール・クビアトが8コーナー出口の縁石にマシンを乗せたところで姿勢を乱し、そのまま最終コーナー内側のウォールに激突。アウト側のグラベルにマシンが弾き出されて、その場でQ1脱落が決定。クビアトの事故により、セッションは1分44秒を残して赤旗中断となる。


 クビアト車とコース上に散乱したパーツの回収作業が終わり、再開するやいなや、今度はトロロッソのチームメイト、カルロス・サインツJr.のマシン後方から白煙が立ち上り、サインツJr.は11位のまま終了。イエローフラッグが提示されたままチェッカーとなり、ケビン・マグヌッセン、ジョリオン・パーマー、リオ・ハリアント、クビアト、マーカス・エリクソン、フェリペ・ナッセがQ1敗退となった。トップはフリー走行3回目のクラッシュから立て直したロズベルグで、タイムは1分06秒516だった。


 開始前から雨雲が見えはじめていたQ2では、Q1に引き続きメルセデスの2台が序盤からタイムシートの上位につける。フェラーリの2台はスーパーソフトタイヤで奮闘、セバスチャン・ベッテルが3位、キミ・ライコネンは7位で終えている。


 2台そろってのQ3進出を狙ったマクラーレンは、ジェンソン・バトンがコースアウトを喫しながらも10番手で通過。フェルナンド・アロンソは最後のアタック直前に雨が降ってきたため、ドライコンディションでのチャンスを逃し、惜しくもQ2敗退となってしまった。なお、Q1でエンジントラブルが発生したサインツJr.とサスペンショントラブルを修復していたセルジオ・ペレスは出走していない。


 この結果、エステバン・グティエレス、パスカル・ウェーレイン、ロマン・グロージャン、フェルナンド・アロンソ、カルロス・サインツJr.、セルジオ・ペレスがQ2でノックアウト。トップタイムはハミルトンで1分06秒228。


 Q2終盤に降り出した雨が残り、ウエットコンディション下で行われたQ3。各車インターミディエイトタイヤを履いてコースインしていくと、雨もやみはじめ、路面も乾いていきハーフウエット状態となっていく。


 残り4〜5分となったところで、ニコ・ヒュルケンベルグを筆頭に、すべてのドライバーが次々とドライタイヤに交換。全車ウルトラソフトでのアタックとなり、タイムシート上の順位も目まぐるしく変わる。ハミルトンがトップタイムを記録すると、ベッテル、ロズベルグ、ヒュルケンベルグらが最後の最後で自己ベストを更新。バトンも渾身のアタックで5番手タイムをマークしてチェッカーを受けた。


 結局ハミルトンが今季5回目となるポールポジションを獲得。2位はロズベルグ、ヒュルケンベルグが3位、ベッテルが4位となったが、ロズベルグとベッテルはギヤボックス交換によるグリッド降格ペナルティがあるため、明日の決勝はフロントロウにハミルトンとヒュルケンベルグ、2列目にバトンとライコネンが並ぶ予定だ。


 決勝は、7月3日(日)14時、日本時間21時にスタートが切られる。



(AUTOSPORTweb)


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