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会見ピックアップ:クビアトの“ストレス”とボケ役に徹するチャンピオンたち

2016年5月13日

 スペインGP開幕前の最大の話題と言えば、ダニール・クビアトとマックス・フェルスタッペンの電撃トレード。昇格と降格という対照的な裁定を下された渦中のふたりと、蚊帳の外に置かれたトロロッソのカルロス・サインツJr.までがそろって出席するとあって、スペインGP木曜日のFIA会見は大いに注目を集めることとなりました。


 やや狭いカタルニア・サーキットの記者会見場は、午後3時のスタート前からメディア関係者で超満員。6名のドライバーが会場に入ってくると、通常であれば地元の英雄フェルナンド・アロンソや、紫色の目新しいキャップを被ったルイス・ハミルトンに視線が注がれるところでしょうが、この日ばかりは前列に並んだフェルスタッペン、クビアト、サインツの3名に視線とカメラの砲列が集中。一斉にカメラの連続シャッター音が鳴り響いて張り詰めた緊張感が漂いました。


 あくまで「なんでもないよ」という顔を装うクビアトと、真正面を見て無表情を崩さないフェルスタッペン。しかし、よくよく足下を見ればクビアトは細かく貧乏揺すりを繰り返しており、この状況にストレスを感じていることが覗えました。


 その一方、後列ではルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソが緊張感などどこ吹く風と、スマホで自撮りやパノラマ撮影をしたり、ふたりで話し込んだりとリラックスした様子でベテランの余裕を感じさせます。


厳しい質問攻めに、用意していたシンプルな答え


 会見の冒頭、まずは司会が当たり障りのない質問を各ドライバーに投げかけますが、フロアからの一問一答になると、やはり質問は渦中のふたりに集中しました。この時とばかりに元気になるのがゴシップ好きのイギリスの新聞系メディアで、辛辣な質問がぶつけられます。


 特に「降格」という厳しい現実を突きつけられたクビアトには「降ろされた理由は何だと思いますか?」「フェルスタッペンがレッドブルのシートにふさわしいと思いますか?」「ふたりで、この件について話をしましたか?」「本心ではどう感じていますか?」などなど、傷口に塩を塗り込むような厳しい質問が畳みかけられました。


 ふたりとも想定問答への答えは用意していたようで、何を聞かれても一貫してクビアトは「僕の決断じゃないし理由は何とも言えない、残り17戦で最大限に結果を出すだけ」と述べ、フェルスタッペンは「このチャンスを与えてもらったことには大満足。これを最大限に生かすだけ」とシンプルに答え続けました。


「ふたりが交代したなんて知らなかった」と言い張るベテランの味


 その“とばっちり”はベテランふたりにも及び、「どう思う?」と聞かれましたが、アロンソが「変わったの? 知ってた?」と隣のハミルトンに振って「知らない!」とトボけたため会場は爆笑。あまりにレッドブル騒動の質問ばかりが続くものだから、終盤に再び質問が来た時には、すでにヘッドセットマイクを外してしまっていて、あわてて付け直して笑いを誘う場面も。


フェルナンド・アロンソ(左)とルイス・ハミルトン
フェルナンド・アロンソ(左)とルイス・ハミルトン

 最後にタイヤ選択の話題になったところで、クビアトが今週末用のタイヤ選択はトロロッソがフェルスタッペン用に行っていたもので、そのまま引き継ぐしかなかったことに触れて「でも僕の獲ってきたポイントは譲らないよ、表彰台もね!」と言って会場が笑いに包まれたところで、ようやく会見は終了。


 今回の突然のトレード騒動について、ドライバーたちをはじめ、ほとんどのF1関係者の意見は「これがF1というものだよ」というものでした。結果がすべてで、ある日突然何が起きても不思議ではない世界。それがF1だというわけです。


 そういう意味では、渦中のふたりが記者会見で辛辣な質問とカメラの砲列の集中砲火を浴びたことさえも「これがF1」。それをよそに王者経験者のベテランふたりが余裕を見せるのも、またF1。前戦で今季初入賞を果たしたケビン・マグヌッセンなのに、まったく注目されずに終わってしまったのも、またF1……。まさに、これこそがF1というものが凝縮されたスペインGP木曜日の記者会見だったのでした。



(Text:Mineoki Yoneya)


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7位マネーグラム・ハースF1チーム29
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