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分析:レッドブルが提案する「エアロスクリーン」の効果と、空力への影響
2016年5月9日
2016年のF1オフシーズンテストで、フェラーリのコクピット保護デバイス「ハロ」がお披露目され、ロシアGPでは新たにレッドブルの「エアロスクリーン」が登場した。
これらのデバイスは現在、急速な進化を遂げているが、2014年に起きたジュール・ビアンキの悲劇と直接関連づけられるものではなく、このようなデバイスさえあれば彼の命が救われただろうとは誰もが考えていない。
とはいえ、FIAは昨年インディカーでジャスティン・ウィルソンの身に起きた不幸なアクシデントのように、オープンコクピットで争われるレースにおいて、頭部が負傷する事故が多いことに懸念を示している。
安全の進化は、正面や側面から受ける大きな衝撃からドライバーを守り、焦点とされる頭部損傷のリスクを軽減しているものの、FIAは慎重に新デバイスの導入へ向けて動いている。
レッドブルのエアロスクリーンのコンセプトは、コクピット上部に接近する物体がドライバーに損傷を与えるリスクを軽減することだ。とはいえ、ドライバーの周囲を完全に取り囲むようなフルキャノピー形状ではない。
レッドブルは、ホイールを装着した状態のタイヤと、1kmのバラストをエアロスクリーンに衝突させる映像を公開したが、ともに破損は見受けられなかった。テスト用ヘルメットにはラバーが付着していたが、このときのヘルメットの高さは、フリー走行でテストしたダニエル・リカルドのヘルメットの位置と比べて高かったようだ。
エアロスクリーンは、コクピット上部を囲うようなレールで構成されている。レールとモノコックの間でボルト固定され、フロント・ロールオーバー構造として補強されるという側面もある。
ダニエル・リカルドによると、ドライコンディション下で行われたロシアGPフリー走行でのテストでは、視認性に関しては問題なかったものの、雨やオイル、虫などがレース時に視界の妨げになる可能性があると指摘している。しかし、NASCARで使われているようなティアオフ・シールドやオンボードカメラで使われている巻き取り式フィルムが、問題を解決するかもしれないとも語っている。
空力面を見ると、フロントスクリーンの角度は、車体上部の気流に影響を与えそうだ。オープンコクピットに向けた気流がヘルメットを取り囲むことで部分的に良い効果を得られるかもしれないが、エアボックス入口への空気の流入や、ドライバーのヘルメットへの冷却流がマシンにネガティブな影響を与える可能性もある。とはいえ、クルマのデザインの一部として設計されているので、そのような影響は大きくないだろう。
また、取り囲むように設置されたスクリーンは一定の幅があり、ドライバーの頭上には何もないので、乗降については問題なさそうだ。しかし、クルマが横転してしまった場合、側面が取り囲まれているので路面との隙間から脱出することは困難を極めるだろう。さらに頭上に何もない状態では、直接ホイールやクルマの破片がコクピット内に入ってくる可能性もあり、危険は排除できない。
おそらく解決策としては、ハロで見受けられた頭上のロール構造とエアロスクリーンのフロントスクリーンを合わせたようなハイブリッド構造となるのだろうか?
いずれにせよ、来季からの導入に向けて、すべての賛同を得るには非常に遅いタイミングだが、FIAはハロとエアロスクリーンを評価し、2017年からの採用を検討している。しかし、これは十分な議論を必要とする案件であり、7月1日までに最終候補が決まらない場合は、2018年からの導入へと延期される可能性もある。
(Translation:Yuki Takayama)
この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています
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