開幕前の合同テストを終えた数チームの関係者が、2016年ニューマシンの手ごたえを語る。ウイリアムズは車両パフォーマンス責任者のロブ・スメドレーに聞いた。
──新車FW38は、昨年のFW37に似たルックスです。どのあたりを重点的に改良してきたのでしょうか。
確かにFW38は昨年のマシンの正常進化版だから、大きな違いはない。けれど、まったく同じものはないと言っていいほど、あらゆる部分が細かく変更されている。たとえばサイドポンツーン、リヤカウル、サスペンションなどだ。開発陣は冬の間、本当に良い仕事をしてくれた。
──パット・シモンズは「FW38の最大の特徴は昨年まで課題だった低速コーナーでのパフォーマンスがアップしている」と語っていましたが、テストでの評価は、いかがでしょうか。
ドライバーたちからのフィードバックでは、幸いにも両者から「昨年のマシンよりも、かなり改善されている」という報告を受けている。
──低速コーナーでのパフォーマンスをアップするため、ウイリアムズは何を行ったのですか。
それは秘密だよ(笑)。ただし空力や足まわりといった特定の何かひとつだけを変えたのではなく、さまざまなエリアを見直している。
──開幕戦に向けて、手ごたえは?
しっかりと走り込みもできたし、課題だった部分については昨年のマシンより、かなり改善されていることを確認できたの。いい戦いはできると思っている。ただし改善によって、我々がどのポジションへ行けるかのについては正直まだわからない。テストは、あくまでテスト。ベストタイムを記録したときに、どのタイヤで、どのようなプログラムでアタックしていたのかはチームによって違うから、単純には比べることができない。おそらく勢力図がハッキリしてくるのは開幕3戦を終えたあたりだろう。
──今季は優勝できそうですか。
相手があることだから、勝てるかどうかはわからない。しかし勝つために、できることはやってきたつもりだ。メルセデスが今年も強いことはテストの結果が証明している。それでもウイリアムズは、これまでにないほどマシンをステップアップしてきた。だから、とにかく彼らを追いかけることしか考えていない。