2016年シーズン開幕を前に、ホンダのF1総責任者に就任してバルセロナ合同テストから現場に合流した長谷川祐介氏。ホンダF1の新しい顔として、連日テストの進捗状況を語る「ハセガワサン」に、ここでは日本のF1ファンへ向けて、ちょっとリラックスした雰囲気で、お話を伺ってみました。ホンダの第3期F1活動ではエンジニアとして活躍、テストでもエンジニアやメカニックたちの輪に積極に入っていく “現場に近い”総責任者です。
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──開幕に向けた準備の満足度は、いかがでしょう?
「パワーユニットに関しては少なくとも信頼性が確認できました。クルマのテストに支障をきたさなかったことが大きいですね。車体に関してはセッティングがまだまだ煮詰まっていないという感じですが、地力のあるチームですから、開幕戦に向けたアップデートとセットアップを考えるための十分なデータが取れたと思っています」
──どこがライバルになりそうですか。
「全部です(笑)。まだまだ全チームがライバルですね。当然トップを目指していますから、上のほうのチームのライバルにもなりたいですね」
──長谷川さんの個人的な目標は?
「いまは、この仕事のことしか考えられないので、チームに貢献できるように自分自身を成長させるということですかね……あっ、英語を上達させたいです(笑)」
──会見などでお聞きしたところ、お上手だと思いますけど。
「いやいや、イギリスの人たちから頭が悪そうだと思われないような喋りができるようになりたいですね」
──日本のファンに、どこを見てほしいですか。
「やはりホンダが戦っている姿を見て、応援してほしいですね」
──今年は、いままでとは違うマクラーレン・ホンダが見られますか。
「『違う』という言葉は正しくないと思うんです。今年のクルマは昨年の経験値をもとに開発されたもので、昨年があったからこそ今年がある。『いままでとは違う』ではなく『より進化した』ホンダを見ていただきたいです。他チームよりも進化の幅は大きいはずですから」
(米家 峰起/Text : Mineoki Yoneya)