
浜島裕英のF1人事査定 第十八回査定「苦肉之策」
2015年11月6日
こちらのコラムはF1速報サイトでしか読めない、完全オリジナルコラムです。
第十八回査定「苦肉之策」
メキシコGP。標高2.235mというエルマノス・ロドリゲス・サーキットのロケーションと新しい路面が、チームやドライバーに難題を突き付けたグランプリでした。
日本にあるこの辺りの高さの山は、山形県と秋田県にまたがる鳥海山:2.236m、北海道の大雪山系にある白雲岳:2.230m、そして群馬県尾瀬にある至仏山:2.228mなどですから、サーキットの状況が、いわゆる地上とは大きく違いそうな感じが、何となく解るでしょう。
この高度によって、大気圧は概ね0.77気圧(標高0m、気温15℃で1気圧とすると、標高2.200mでは、気温0.71℃で0.765気圧)で、そして空力に効く空気の密度は、1.225 kg/立方メートル@標高0m)が0.986 kg/立方メートル(@標高2.200m)へとほぼ20%減少するのです。
空気抵抗とダウンフォースは、空気密度に比例しますから、モナコGPと同じ空力のパッケージを付けたとしても、空気抵抗は20%減って最高速が伸び、ダウンフォースも20%減る計算になります。
また空気が薄いことにより、色々なものの冷却効率は低下してしまいます。運動エネルギーは、高地に行っても同じですから、最高速が出てしまったクルマの速度を、ダウンフォースが少ないためにグリップが低いタイヤでクルマをコーナリングさせるには、いつも以上に減速させなくてはなりません。このためブレーキの仕事量は増加しますから、当然発熱量は増大することになります。これを冷却するためには、大量の空気が必要になるわけですが、ブレーキダクトの開口部の大きさの規定があるため、冷却用の空気を多くすることはできず、しかも前述したとおり通常よりも冷却効率が悪いので、ブレーキがオーバーヒートし易くなりました。
xpb
これが、いつも以上にブレーキに課題を抱えたクルマが多く見られた原因です。フリープラクティスでメルセデスAMGのクルマのブレーキから出火したのも、これが一因だったと考えていいでしょう。
第十八回査定「苦肉之策」
メキシコGP。標高2.235mというエルマノス・ロドリゲス・サーキットのロケーションと新しい路面が、チームやドライバーに難題を突き付けたグランプリでした。
日本にあるこの辺りの高さの山は、山形県と秋田県にまたがる鳥海山:2.236m、北海道の大雪山系にある白雲岳:2.230m、そして群馬県尾瀬にある至仏山:2.228mなどですから、サーキットの状況が、いわゆる地上とは大きく違いそうな感じが、何となく解るでしょう。
この高度によって、大気圧は概ね0.77気圧(標高0m、気温15℃で1気圧とすると、標高2.200mでは、気温0.71℃で0.765気圧)で、そして空力に効く空気の密度は、1.225 kg/立方メートル@標高0m)が0.986 kg/立方メートル(@標高2.200m)へとほぼ20%減少するのです。
空気抵抗とダウンフォースは、空気密度に比例しますから、モナコGPと同じ空力のパッケージを付けたとしても、空気抵抗は20%減って最高速が伸び、ダウンフォースも20%減る計算になります。
また空気が薄いことにより、色々なものの冷却効率は低下してしまいます。運動エネルギーは、高地に行っても同じですから、最高速が出てしまったクルマの速度を、ダウンフォースが少ないためにグリップが低いタイヤでクルマをコーナリングさせるには、いつも以上に減速させなくてはなりません。このためブレーキの仕事量は増加しますから、当然発熱量は増大することになります。これを冷却するためには、大量の空気が必要になるわけですが、ブレーキダクトの開口部の大きさの規定があるため、冷却用の空気を多くすることはできず、しかも前述したとおり通常よりも冷却効率が悪いので、ブレーキがオーバーヒートし易くなりました。

これが、いつも以上にブレーキに課題を抱えたクルマが多く見られた原因です。フリープラクティスでメルセデスAMGのクルマのブレーキから出火したのも、これが一因だったと考えていいでしょう。
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※スペインGP終了時点
1位 | オスカー・ピアストリ | 186 |
2位 | ランド・ノリス | 176 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 137 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
5位 | シャルル・ルクレール | 94 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 71 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | アイザック・ハジャー | 21 |
10位 | エステバン・オコン | 20 |

※スペインGP終了時点
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 362 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 165 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 159 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 144 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 54 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 26 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 16 |
9位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 16 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

