日曜のソチ・オートドロームは朝から雲ひとつない快晴。気温も午前10時30分の段階で18度と週末を通して最も暑いコンディションとなっている。
土曜のフリー走行でクラッシュし、予選に出走できなかったカルロス・サインツJr.は、すでに土曜の夜に退院。日曜の朝からサーキットに顔を出し、元気な姿を見せている。すでにレース審議委員会はスポーティングレギュレーションに則って「予選前のセッションで、予選を通過するための十分なタイムを記録している」として、サインツのレース出場許可を下していた。
残るはFIAのドクターによる判断だったが、午前11時30分にトロロッソが「サインツJr.がロシアGPに出場」との公式声明を発表。12時からは本人による会見が開かれた。
サインツJr.は「気分は良く、レース出場に向けて問題はない」と明言。しかし「筋肉は硬くなっていて少し痛みもある」と認めた。トロロッソによれば、サインツJr.は310km/hでバリアに激突し、46Gの衝撃を受けたという。
予選ではメルセデスが圧倒的な速さを見せたが、レースでは不安もある。それは、この暑さだ。今週末これまでの最高路面温度は土曜日フリー走行の26度だが、本日すでに路面温度は30度を超えている。暑いコンディションで十分な走り込みができていないため、タイヤのデグラデーションが読めない。
ピレリは「土曜までのデータではタイヤのデグラデーションは少なく、1ストップのほうが速い考えられるが、日曜が暑くなって予想以上にデグラデーションが起きる場合、2ストップを選択するチームも出てくるだろう」と言う。
なお、ロシアGPでメルセデスがフェラーリより3ポイント多く獲得すると、コンストラクターズタイトルが決定する。4番手からスタートするフェラーリのセバスチャン・ベッテルは「ウイリアムズとはレースで戦うことは可能」と語っており、メルセデスを意識する様子は見せていない。
メルセデスが何らかの要因で自滅しない限り、コンストラクターズタイトルが決まる可能性は、きわめて高いと言えるだろう。