今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。F1第14戦日本GPの週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視して採点する。(最高点は星5つ☆☆☆☆☆)
------------------------------------------
☆ アレクサンダー・ロッシ
130R危機一髪。42周目にウィル・スティーブンスが高速スピン、背後でチームメイト・バトル中だったロッシが瞬間技で回避。2台全滅クラッシュしていたらセーフティカー出動、終盤もうひと波乱あった。20台全車完走(ストップしたフェリペ・ナッセ含む)は鈴鹿の新記録、2011年ヨーロッパGP以来4年ぶり。マシン&パワーユニットの信頼性とドライバーたちの集中力、つめかけたファンのみなさんも感じただろう。
☆ ダニール・クビアト
Q3終了間際に、ヘアピン手前コーナーで左側の両輪をコースから外してスピン。その先のクリッピングポイントを注視していてラインが乱れたのだろう。以前に国内レースで同じような事故が起き、マシンはヘアピンの奥まで突進して、やっと止まった。負傷は免れても痛みで熟睡できなかったに違いない。全交換で修復されたマシンで、ぶっつけ本番、力走の13位。
☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
1周目に13番手から8番手に上がると、当面の敵ロータス勢より早めにピットストップを実行。出し抜いた6位は今季自己ベストタイ、堅実なドライビングで8点を追加。先週シンガポールはセルジオ・ペレス、今週は彼。「どうだ、いいコンビだろう、ウチは」とチーム首脳も笑顔で胸を張る。ふたりの差は1点、確かに名コンビだ。
☆☆ ニコ・ロズベルグ
スタートから2コーナーまでが勝負ポイント、そうイメージして見つめた。けして悪くない蹴り出しだったがルイス・ハミルトンに並ばれ、アウトサイドへ。雨が続いた鈴鹿は本来グリップが高いアウト側(レコードライン)の有利さが薄れ、2コーナー出口で抜かれた。4番手から挽回した2位は“最善”の結果でも、自己ベストラップはハミルトンより1.002秒も劣った。「まだ、あきらめないぞ」──もっと剥き出しにしないと。