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【レースの焦点】冴えた感覚、かぎわけた雨の匂い

2015年7月7日

「F1でのキャリアを通して本当に初めて、完璧に正しいタイミングを選択することができた」

 43周終了時点でピットに飛び込んで、ドライタイヤからインターミディエイトに交換した判断を、ルイス・ハミルトンはこう表現した。「キャリア初」という言葉も、今回は少しも大げさに響かない。難しいコンディションのなかで彼自身が導き出したパーフェクトな“正解”だった。

 コースの一部にポツポツと雨滴が落ち始めたのは、バーチャルセーフティカーが終了した35周目あたりのこと。しかし、すぐに本格的なウエットコンディションにはならず、湿った路面を冷えたドライタイヤで走行するトリッキーな状態が続いた。38周目にはキミ・ライコネンやフェルナンド・アロンソが雨に賭けてインターミディエイトに交換。ハミルトンは、いったん10秒以上ラップタイムを落としたが、ドライタイヤのままで最初の雨をしのいだ。ピットからは雨の予報、ドライバーからはオンタイムの路面状況を伝える無線が何度も行き交ったあと「グリップがなくなった」とハミルトンが叫んだのは43周目のこと。「雨量が増えてきた!」と、タイヤ交換を決断する。

 インラップのタイムロスは、ごくわずか。4秒後方を行くニコ・ロズベルグはチームメイトのピットインが判断ミスだと確信し、20秒後方で同じ43周目にタイヤ交換を行ったセバスチャン・ベッテルは「チャペルを抜けてハンガーストレートに入ったところで本物の雨が来た」と説明しているのだから、本格的な雨の直前に、その“匂い”を感じ取ったハミルトンの感覚は冴えわたっていた。



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