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国内復帰会見で聞く。可夢偉はF1を諦めたのか?

2015年2月12日

 チームルマンからのスーパーフォーミュラ参戦をファンに報告した小林可夢偉。メガウェブで行われたトークショーでは終始笑顔で、200人のファンへのサイン会、その後の写真撮影会に献身的にサービスを行った。トークショーではファンに向けては国内サーキットでの再会を最後の挨拶としたが、やはり気になるのが、可夢偉のF1への未練だ。

 昨年12月の岡山テストの際には、「来季は国内復帰か?」と去就の答えを急ぐ我々メディアに、「まだスーパーフォーミュラに参戦するかどうかよりも、レースを続けるかどうかで迷っているくらいなんですから」と、その時の心境を隠さずに吐露した可夢偉。F1継続の可能性が断たれて以来、レース引退を考えるほど、自身の進路に思い悩んでいた。

 そして今季、可夢偉が出した結論はスーパーフォーミュラ参戦だった。「今はスーパーフォーミュラしか決めていません」と可夢偉が話すように、他カテゴリーへの参戦は今のところないという。スーパーフォーミュラへの参戦を決めた理由は「日本のレースを盛り上げたい」という可夢偉の純粋な想いだった。いや、純粋と言うのは誤解があるかもしれない。なぜなら、国内レースを盛り上げるならスーパーGTにも参戦するのが理にかなっているが、今年の可夢偉はスーパーGTを希望しなかった。ご存じのように、近年の国内トップドライバーはスーパーGT優先、または両カテゴリー参戦がスタンダードである。その流れとは異なり、なぜ可夢偉はスーパーフォーミュラのみの参戦を選んだのか?

「今はGTの参戦は考えていないですね。GTはもう、十分盛り上がっているじゃないですか。GTは僕が出て行って何かできるというものでもない。GTはもちろんレベルは高いけど、このスーパーフォーミュラはやっぱりドライバーの戦いの場でもある。そういう場をしっかりと盛り上げることはすごく大切だと思うし、日本のモータースポーツが大きく変わるチャンスは今なのかなと思って、スーパーフォーミュラに乗ることに決めました」

 可夢偉なりの国内モータースポーツへの貢献の方法が、自動車メーカーが主役のスーパーGTではなく、ドライバーズレースであるスーパーフォーミュラのみというのは、ある意味、可夢偉らしい決断でもある。それでも、可夢偉がファンのことを優先して考えてくれるのはありがたいが、その一方でファンと我々メディアが期待しているのは、F1、または世界のレースでアグレッシブに暴れてくれる可夢偉の姿である。

「もうおじさんなんで、暴れられないです(笑)」と、その質問をはぐらかす可夢偉。この取材の直前のトークショーで、チームルマンのチームメイトである平川亮が二十歳であることを、しきりと羨ましがっていたが、もちろん、この「おじさん」発言も可夢偉なりのジョークだ。

「F1を諦めたわけではないです。ただ、今できることをやって行きたい」。可夢偉はドライバーとしてのキャリアを続ける決心をした。WECなど他カテゴリーの参戦についても「その時、その時でいろいろあると思うけど、話があれば考えたい」と意欲を見せた。





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