ウイリアムズの代表、フランク・ウィリアムズは、30年間にわたり参戦し続けてきたF1から撤退することなど考えたこともないと主張している。ウィリアムズチームは、これまでで最大の敵かもしれない現在の経済状況に直面しているが、それでも“非常に健全な状態”であるという。
イギリスのタイムズ紙に対して語ったウィリアムズは、自分のプライベートチームが、先週の衝撃的なホンダ撤退の後で、次にF1から撤退するのでは、という憶測を改めて否定した。そして会社が実際、負債はあるものの、問題のない状態であると主張した。
ウィリアムズチームが、2006年と2007年で5千万ポンド(日本円でおよそ69億3000万円)近い損失を出したことを認めつつ、チームオーナーである66歳のウィリアムズは、最近合意されたコスト削減策はチームの将来をよりよくしてくれるはずだと語った。特に、過去10年間、中小のチームを苦しめてきた、大きなマニュファクチャラーチームを相手にコース上で戦っていくのが、より楽になるだろうという。
「このスポーツは、健全で役に立つ一歩を踏み出した」とウィリアムズは述べた。「近年、F1参戦のための予算を集めることは可能だったが、チームをコンペティティブにするだけの予算を集めることは難しかった。それが簡単になるだろう」
「巨額の支出が可能なマニュファクチャラーは、ここ何年かで状況をとても厳しくしてきたが、私は決して、参戦の意義に疑問を投げかけたことなどない。彼らすべてが同時にF1に参戦してコストを上昇させているのは、一時的な現象かもしれないと、私は常に頭の隅で意識していた。もちろん、ルールに反しているわけではないが、今や彼らはコスト削減のプレッシャーにさらされるようになってきている。これで、彼らも私たちのほうへ戻ってくる」
ウィリアムズは先週、重要なスポンサーのレノボが支援を打ち切ると発表したことで、打撃を受けた。レノボは、もっと成功を収めているチームに乗り換えると見られている。しかし、ウィリアムズは、新規と既存のパートナーの支援により、来季のグリッドに着くことになる。
「来季に向けての収入見込みは、昨シーズンの90%以上だ」とウィリアムズは語る。
「どのチームもそうであるように、ひとつかふたつスポンサーを失いはしたが、ほかのスポンサーが加わってくれて、過去何年間かよりもいい状態だ。そして、既存のスポンサーのいくつかは、支援をかなり増額してくれている。各チームがコース上と同じく、コース外でも激しく戦っているスポーツでは、物事はこのように進んでいくものだ」
「私たちにはある程度の負債があるが、建物や土地を含む資産の価値と比較すれば、たいした割合ではなく、50%よりかなり少ない。赤字のない会社など、ほとんどないだろう。私たちは非常に健全な状態だ」
しかし、FIAとFOTAがモナコで達した合意に賞賛を送りつつも、ウィリアムズは、F1を新規参入者にとってもっと確実で魅力的なものとしていくためには、特に給与や予算の制限などによって、もっと節約が必要だと感じているという。
「私たちはこの問題を何度か提起してきたし、またそうする機会をとらえていくつもりだ」と彼は述べた。
「私たちは、予算の制限を徐々に導入していくことを強く支持する。もし、それを適切に監視していけるのならばね」