ウイリアムズF1のチーフ・エグゼクティブ、アダム・パーは、統括団体FIAと各チームの集合体であるFOTAが打ち出したF1のコスト削減策について、賞賛の意を表した。
滅多に意見が一致しないFIAとFOTAだが、ホンダの即時F1撤退という予想外のニュースを受けて、共通の方向を見いだす必要性に気付き、12日(金)のモナコでの世界モータースポーツ評議会の会合を前に、将来の青写真を描き出すために緊急の首脳会談を行った。
ホンダの撤退発表の前に持たれた話し合いをさらに進めて、両者は数々の提案に関して合意に達した。これにより、自動車メーカーの所有する最大のチームレベルならば、現在の予算の3分の1(年間4千万ポンドと推計される)を来季から節約できるという。
ウイリアムズのような、さらに小さな独立チームの場合は、その恩恵はさらに大きくなる可能性がある。
標準ギヤボックスの導入、必要なエンジンのライフを倍に延長すること、テストを含めた様々な開発に厳格な制限や禁止を課すことや、カスタマーエンジンのコスト制限などが、出費を抑制するために役立つはずだ。
「FIAも多くのチームも、1年以上前から、真のF1のあるべき姿を維持しつつコストを削減する必要性を認識していた」とパーは英フィナンシャル・タイムズ紙に対して語った。
「エンジン(に関する対策)は、結成されて間もないFOTAの生んだ最大の成果のひとつだ。2、3週間で、エンジンのライフを倍にすることができたし、それも使用している技術を高め、コストを削減する形で成し遂げることができた。こんなに短い期間でそれを達成できたのだから、FOTAのなしうることには敬意を表したい」
パーは先日、ホンダの撤退に過剰反応しすぎたことを認め、来季の開幕までに他のチームもホンダに続いて撤退するかもしれないとコメントしたのは“愚かだった”と告白した。その発言は、金融危機がF1に及ぼす影響に関して、一層不安を煽るだけのことだった、と彼は認めた。
「そんなことを言ったのは愚かだった。それが間違っていたからというわけではなく、建設的な発言ではなかったからだ」と、パーはプレス・アソシエーションに対して語った。
「私があのコメントをした時に言いたかったのは、“また別の大株主がF1を離れる決断をする危険があるだろうか?”ということだったのだ。そういう危険はあるし、F1はそれに備える必要がある」