バーニー・エクレストンは、ホンダがF1から撤退せざるをえなくなったのは、非現実的な目標を推し進めていたからであると示唆した。また、チームの元上層部のある人物は、2007年の“アースカー”のせいで2億ポンドを失ったと考えている。
2008年に1億4、700万ポンドを投じながら、わずか14ポイントでメーカー系チームの最下位に沈んだホンダF1チームは、わずか1ドルで売りに出されることとなった。
スポンサー不足のため、ホンダは2007年、2008年と“アースドリーム”プロジェクトを打ち立てざるをえなくなり、これによって2億ポンドもの損失を被ったと見られている。
「マシンにロゴがなく、資金が入ってこず、ホンダが負債を負担していた。彼らはあれがスポンサーシップの新たな構想だと言っていたがね」とチームでシニアボスを務めていた人物がコメントしている。
「彼らはその金を、もしものときのために蓄えておくべきだった。BMWやメルセデスがやっているように」
F1の商業権を握るエクレストンは、ホンダの撤退に頭を悩ませると共に怒りを覚えている。
「もし去年選手権4位で今年3位だったら、彼らは同じ結論に達しただろうか」とエクレストンは言う。
「(実際には今年)彼らは9位だった。役員会はこの6年、“来年こそは世界選手権を獲る”という話をただじっと聞いていただけだったのではないかと思う」
「それも悪かったのではないか。だが、ホンダの売却の見通しはあるだろうと思う」
一方、FIA会長マックス・モズレーは、大幅なコスト削減を推し進めなければならないと、引き続き強く主張した。
「来シーズンは厳しい状況になるかもしれない。金融危機がどこまでひどくなるか、誰にも分からないわけだからね」
「実際の大幅なコスト削減を行うのは2010年からになる。しかし、まずは2009年を切り抜けなければならない。コストにおいて徹底的な見直しを図る必要がある」
「ホイールナットにいたるまで見直さなければならない。あるチームは年間1、000のホイールナットを使っている。超軽量でひとつ800ポンドのホイールナットをわずか1回しか使用しないのだ。これはまったく無駄である」
「チームの運営予算を3、000〜4、000万ポンドに抑えたい。それができればテレビ放映など権利料、スポンサー料によって、チームを存続させることができる」
「今話し合っているエリアではコストダウンができる。グランドスタンドやテレビの前にいるファンには全く変化を気付かせない形で、それを成し遂げることはできるのだ」