ホンダが先週末、F1活動休止を発表したことで、F1で153戦出場という実績を持つジェンソン・バトンのキャリアが危機にさらされることになった。しかし、そんな彼にスクーデリア・トロロッソが救いの手を差し伸べることになるかもしれない。
2000年、ウイリアムズからデビューを果たして以来、F1で戦ってきたバトンだが、今年莫大な予算を投じたホンダが1月までにブラックリーにあるチームの買い手を見つけられない場合、彼はシートを失うことになる。
ホンダの福井威夫社長は、チームは最近バトンと新たに年間800万ポンドの3年契約を結んだことを明かしていたが、バトン側の要求に従い、契約解除の話し合いが今後行われ、これに伴って彼には1500万ポンドが支払われるようだ。
チーム代表のロス・ブラウンはイギリスのニュース・オブ・ザ・ワールド紙に対し、次のように語った。
「ジェンソンがチャンスを手に入れるのなら、私たちは黙ってここで状況を見守り、彼がどのようなチャンスを手に入れるのか見守るつもりだ」
「もし、私たちが彼を残留させることができれば嬉しいが、エンジニアとは異なり、F1ドライバーが1シーズンを棒に振るのがどれほど難しいことなのか私たちも理解している。チームが閉鎖されたら、私は釣りに出かけるよ。釣りは大好きな趣味だからね」
バトンは、低迷するチームへと忠誠を尽くしてきた末にF1でのシートを失いかけており、F1キャリアが危機に瀕する羽目に陥ったことに怒りを覚えていると見られている。彼は窮地に立たされた総勢750名のスタッフを応援するため、先日、ブラックレーを訪れている。
28歳のバトンは、活動休止という知らせを本当に受け止められるようになるにはまだ少し時間がかかると述べたが、今は何よりも、3月のメルボルンでの開幕戦でスターティンググリッドに並べるようにすることが喫緊の課題だと語った。
バトンは、デイリー・エクスプレス紙に次のように語った。
「F1でレースがしたい。僕にそのチャンスを与えてくれる人がいれば喜んで話を聞くよ。どんな金額であろうとね」
ホンダが金曜日に開いた衝撃会見の後、バトンはレッドブルの“ジュニアチーム”であるスクーデリア・トロロッソからアプローチを受けたと見られている。ディートリッヒ・マテシッツはホンダ活動休止のニュースで「2009年のトロロッソのドライバー選びに何らかの影響が出ることはない」と主張したが、その一方で、バトンはトロロッソから、今週へレスで行われるテストへの参加オファーを受けた可能性があるとも見られている。
チーム代表のフランツ・トストは、バトンがF1に初参戦した8年前、彼とともに働いている。トロロッソの関係筋は「彼ならオーディションを受ける必要などないだろう」と語った。