佐藤琢磨は、スーパーアグリF1チームの撤退は悲しく残念なニュースだが、自分はF1から引退するつもりはないと語った。
2006年に設立されて以来このチームのドライバーを務めてきた佐藤は、2007年スペインでチーム初ポイントを獲得、カナダでは6位に入った。これがチームのベストリザルトとなった。
「スーパーアグリF1チームがF1から撤退しなければならなくなり、本当に悲しく、残念な気持ちだとしか言いようがない」と佐藤は語った。
「チームの状況が非常に悪いということは分かっていたけれど、関係者が全員で解決策を見つけてくれることを心から願っていた。しかし、どういうわけか、その願いは実現しなかった……」
「いろいろと問題が発生していたけれど、僕は前向きな姿勢を崩さず、なんとしてでもチームをサポートすることに集中しようとしてきた」
「スーパーアグリは小さなチームだったけれど、大きなハートととてつもないスピリットを持ったチームだった。2年半前にチームが活動をスタートした際には、たった4カ月で僕らをグリッドにつけるために、リーフィールドのスタッフ全員が本当に頑張ってくれた。おかげで初年度にトップ10でフィニッシュし、昨年は4ポイントを獲得できた。彼らはほとんど不可能なことを成し遂げる力を持った、真のプロフェッショナル集団だ」
「亜久里さんが僕たちのためにしてくれたことに対して、最大限の敬意を払う。亜久里さんは活動を続けるために必死に頑張ってきた。このチームに大きく貢献してきたチームの全メンバーのことも決して忘れない。SAF1の短いキャリアの中でいろいろなことを成し遂げてきてくれた彼らに感謝したい」
「わずか1年前にはチームの初ポイントをあげたこと、その時の感動や興奮がたった1年でこういった失望に変わってしまったことが、信じられない」
シートを失うことになった佐藤だが、自らのF1のキャリアを終わらせるつもりはないと語る。
「SAF1でレースをすることに全精力を傾けてきたので、今の時点では、次に何が起こるのか分からない。マネージャーと共に選択肢を検討し、状況が整い次第、発表するつもりだ」
「しかし、F1から引退するつもりはない。僕は今ドライバーとして絶好調だと思うし、日本、そして世界中のファンや応援してくれた人たちに、もっとたくさんのものを提供したい。僕がドライバーになって以来、みんな、ものすごく応援してきてくれたからね」